book637(テレビドラマ『ダンダリン』- 社員を辞めさせない会社。)





■ダンダリン 第5話。


第5話(http://www.ntv.co.jp/dandarin/story/05.html)は、洋菓子店で人気のドーム型スポンジケーキのようなものを売っている会社の話。

ドラマの内容は、サイトを見ていただければ分かりますので、労務管理でのポイントを抜き出すと、スイーツのレシピを改悪することに納得出来ないので、パティシエはお店をヤメたいのだけれども、会社の社長が認めないという流れ。

そのパティシエしかスイーツを作れないので、彼に辞められちゃうと、スイーツの販売ができなくなる。だから、社長はそのパティシエを辞めさせないように抵抗する。


ドラマを観ていると、「なるほどね、ありそうな話だね」と思ってしまうところですが、不思議に思う点が1点あります。

「なぜ、1人のパティシエしかそのスイーツを作れないのか」これが私の最大の疑問でした。


「いや、その人がいなくなっても、他のパティシエがそのスイーツを作ればええやないの」真っ先にこう思いました。

レシピをマニュアル化しておけば、粉の分量や卵の数、焼き時間、作業の手順など、他の人でも再現できるはず。


洋菓子店だけでなく、和菓子店、飲食店など、食べ物を商品にしている会社ならば、程度の差はあれども、商品を製造する手順をマニュアル化しているはず。1人しか作れない商品にしておくと、その人が辞めたときとか、病気や怪我で休んだ時に困りますからね。






■代替人員がなぜいないの?


上記の洋菓子店のように、特定の人間に依存して商売していると、その人が抜けた時に困ってしまう。だから、1人のパティシエしか作れないスイーツにしておくのではなく、一緒の職場で働いている他のパティシエでも作れるようにしておく必要がある。

ドラマを見ていれば分かりますが、辞めようとしているパティシエ以外にも、3人ぐらいパティシエはお店にいました。「その人達でもスイーツを作れるんじゃないの?」私はそう思いました。


「辞めさせない」と抵抗する社長ですが、スイーツを作れる代替人員を育ててこなかった点がトラブルの主因です。


特定の人間に依存して商売すると業務が不安定になるので、誰でもできるように業務を標準化するのが当然の対応です。1人だけで商売をやっているならば、標準化も必要ないでしょうが、複数の人間で一緒に仕事をしているならば、自分だけでなく他の人でも同様の業務ができるようにOJTを実施してしかるべきのはず。

レシピのマニュアル化、代替人員の育成。これらをやらずに、パティシエを辞めさせないというのは、会社側の怠慢と言っても差し支えない。

ダンダリンの第5話では、労働者の辞める自由が焦点になっていましたが、レシピのマニュアル化、代替人員の育成という点に何も言及していなかったために、私には不自然な内容に感じました。


ドラマの出来は良かったと思いますが、上記のような不自然さがちょっと気になりました。



山口正博 社会保険労務士事務所
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