book619(遅延証明書があっても遅刻扱いに。)




■遅延したんだから遅刻じゃない?


電車に乗って職場に通っている人はたくさんいますが、ときに何らかのトラブルで電車が遅れることがありますよね。

よくあるのが人身事故で電車が遅れるとき。私が大学生の頃は、電車で学校まで行っていましたから、遅延することが時折ありました。他には、信号機の故障だとか、大雨の影響、台風の影響、ホームで人が転落など。さまざまな理由で電車が遅延していたような記憶があります。

電車が遅延すると、鉄道会社は遅延証明書というものを交付してくれます。駅の改札口に人が群がって、遅延証明書を受け取っている光景が印象的ですが、今では鉄道会社のウェブサイトでも取得できるようです。

スマホを持っている人ならば、あえて証明書を印刷しなくても、証明書の画面を表示して、スクリーンショットを撮って、それを見せればいいかもしれませんね。


遅延証明書を会社に提出する、もしくは見せれば、遅刻にならない。そんな会社もありますよね。

電車が遅れたから遅刻したのであって、自分が原因ではない。だから、遅延証明書を持っていけば、遅刻扱いにはならない。そんな効果を持っている証明書です。


ただ、この遅延証明書ですが、これをどのように取り扱うかは会社次第です。遅延証明書を持っていれば遅刻扱いにしないのもアリですし、遅延証明書にかかわらず遅刻は遅刻として扱うのもアリです。

証明書があれば遅刻にしてはいけないという法律はありませんから、遅延証明書をどう扱うかは会社ごとに違います。


となると、「遅延証明書を持っていれば遅刻にならない場合」と「それを持っていても遅刻になる場合」で分かれる可能性があります。

電車が遅れた証明書を持っているのに遅刻にされちゃう。あり得ない話ではないんですよ。






■遅刻の免罪符。


鉄道会社の遅延証明書は10分単位で発行されるようで、JR東日本と西日本では、10分、20分、30分、40分、50分、60分、61分以上の7種類がある。

ちなみに、私は遅延証明書というものを駅員さんから受け取ったことが無いので、経験がないのですけれども、5分から10分の遅れでも遅延証明書を出しているのですね。5分とか10分なんて遅延というよりも誤差の範囲だと思うのですけれども、鉄道会社では遅延として扱うようです。

日本の交通機関は時間に正確です。時間に正確であるゆえに、人はそれに依存してしまう。「電車や新幹線はチャンと動いてくれるだろう」と思って、自分は時間ギリギリに行動する。遅延することを想定して生活しないんですね。

例えば、14:07に東京駅に到着すると新幹線の切符に書かれていれば、本当に14:07に東京駅のホームに到着するんです。これは本当に凄い。新幹線なんて、3時間とか4時間の移動になることが多いのだから、到着時刻が20分程度前後しても私は気にしないのですけれども、ピッタリと時間を合わせてくるのが鉄道サービスのスゴイところ。

他に、バスでも飛行機でも、モノレールでも、交通インフラサービスは時間をキチンと守る傾向があって、「時間通りに動いて当たり前」と利用者も思ってしまいがち。

だから、ちょっとの遅延でも証明書を発行するのでしょうね。



電車の遅延は乗客の責任ではないので、遅れたら遅刻にはしないのが当たり前とも思えます。

しかし、時間に余裕を持って行動すれば、交通インフラに多少の遅延があっても対応できるだろうという考え方もあります。

数分程度の遅延ならば、想定して行動するべきであって、たとえ遅延証明書があったとしても、遅刻は免れない。そんな扱いにするのも無茶なことではありませんよね。

とはいえ、遅延といってもそれぞれ程度が異なりますから、30分とか50分も遅延してしまえば、さすがにそこまで想定して行動するのは難しいので、この場合はフォローが必要でしょう。


そこで、例えば、「電車が遅延した場合、30分以上の遅延を証明するものがあれば、遅刻扱いにしない」という基準があれば、10分、20分の遅延は対象外にすることもできます。

30分未満の遅延ならば本人で対応し、それを超えればフォローを入れる。そんな対応もあっていいでしょうね。



山口正博 社会保険労務士事務所
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