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BYODとMDM。自分の携帯電話を使って仕事で通話したら通話料は自己負担?

BYOD

 

仕事の連絡と個人の連絡。

携帯電話を持っていない人に出会うのが難しい。それぐらい携帯電話は身近なものになって、私生活でも仕事でも便利に使っている方も多いかと思います。

携帯電話がないときは、自宅の電話を使うか、会社に備え付けている固定の電話を使うか、それともポケベル(もう知らない人もいるかもしれない)を使って連絡するか。2013年の現在とくらべて連絡手段は限られていました。

そのため、仕事の連絡をするときは、本人がいる場所まで行って直接に伝えるか、それとも、内線電話を使って呼び出すか、あとは館内放送や場内放送でアナウンスして伝えるか。結構不便でしたね。

携帯電話やPHSがあると、連絡したいときにすぐできるし、移動する必要もないので、業務連絡にはもってこいです。


ただ、通信機器は会社で用意することもできますが、個人で所有している人も多い。

従来型の携帯電話、スマートフォン、PHSなど、以前とは違い、これらはすでにコモディティになっていて、個人で持っている人も普通にいます。

そのため、個人所有の携帯電話やスマホ、PHSを業務連絡で使う場面が出てきます。

そこで問題になるのが、通信費用です。


会社で携帯電話やスマホ、PHSを用意して、業務中はそれを社員さんに持たせているならば、通信費は会社が負担するのでしょうから費用は問題になりにくい。

しかし、自分が持っている携帯電話を仕事で使うとなると、自分で使った通信と業務で使った通信が混ざりますので、その費用が問題となります。



私用と業務用の境界線を決める。

自分の携帯電話を仕事で使っても、通信会社から発行される利用明細書を見れば、仕事で使った部分とそうでない部分をキチンと分けられる。そう思う方も多いでしょうね。

確かに、電話ならば、日時、相手の電話番号、通話時間、この3項目が利用明細書に表示される。通話時間の合計と通話単価(30秒21円、30秒10.5円などのように、選択する料金プランによって違いがある)を掛けると、通信費用を計算できる。

利用明細書を見て、仕事で使った通話部分に赤ペンやマーカーペンで印をつける。それを会社に提出して通信費を支給してもらう。これならば、キチンと通信費を計算して支給できます。

ただ、この方法はメンドクサイですよね。

仕事でほとんど電話はしない人ならば、通信費の計算も容易ですが、頻繁に電話で連絡をする必要がある仕事だと、明細の通話件数が多くなるし、「この通話って、仕事の電話だったか、それとも個人的な電話だったかなぁ」と内訳が分からなくなるときもあるかもしれない。


さらに、携帯電話の通信機能は通話だけではなく、データ通信の部分も通信機能に含まれます。通信料金が発生する点では、電話だけでなくデータ通信も同じですから、仕事でデータ通信を利用した場合もまた通信費負担の問題が生じます。

さらに、データ通信の場合は、電話とは違い、利用明細書を見ても、業務での利用か私的な利用かの判別ができません。また、利用料も従量課金でなはなく定額課金ですので、料金の切り分けもできません。


メーリングリストで業務連絡をしている会社も結構あるでしょうし、最近だと業務連絡をLINEで済ませている人もいるのではないでしょうか。メールよりもLINEの方が早く連絡出来ますし、チャット形式でデータをpostでき、さらに時系列で内容が並びます。通信会社のメールサービスで障害が発生しても、データ通信さえ可能になっていれば、LINEでの連絡は可能です。


私的領域と公的領域が混在するという点では、通話よりもデータ通信の方がその程度が大きいように思います。


仕事での通信費と私的な通信費をどうやって分けるか。

その解決策は2つあります。

まず1つ目は、会社で通信機器を用意する方法。法人単位で携帯電話を契約し、業務中はその携帯電話を使うようにする。そうすれば通信費は会社で一括管理できます。

ただし、この方法は、費用の負担が大きいですから、どこの会社でも採用できる選択肢ではないように思います。

会社によっては、通常の携帯電話を利用するのではなく、内線専用のPHSを用意して、業務連絡はそのPHSを使うところもありますね。病院、遊園地、動物園、水族館、ショッピングセンターなど、スタッフの可動範囲が広い職場では内線専用の電話を使っている場合が多いのではないでしょうか。

この方法でも、端末を購入して、内線電話で通話料はゼロでも毎月の維持費はゼロでは無いでしょうから、それなりの社員数がいる事業所ならば選択肢としてアリかもしれません。


もう1つは、個人所有の携帯電話やスマホを仕事でも使ってもらい、その費用を支給する方法です。

この方法は、会社が通信機器を用意する方法と違って、費用の切り分けが必要になります。

この切り分け方法も1つだけでなく、先ほどのように利用明細書を使ってキチンと計算する方法がありますし、毎月定額で通信費を支給する方法もあります。

明細書を使ってキッチリ分けるか。それとも、ある程度の誤差は認めて、月1,000円や2,000円のように定額で支給して対処するか。これは会社次第です。

2020年時点では、データ通信だけでなく通話も定額で利用できるようになり、スマートフォンを会社で用意し、従業員にそれを貸与するという方法も検討できる環境になりました。

私物のスマートフォンを使う(Bring your own device)ならば、デバイスを職場に持ち込むルール(Mobile Device Management)も決めないといけません(セキュリティポリシー)。端末内のデータを退職時に会社側から消せるかどうかなど、検討する事項がいくつかあるかと思います。

もし、通話以外のデータ通信を仕事でも使うとなると、明細書だけでは対処しきれないので、定額で通信費を支給するのが妥当なところかと思います。この点も、データ、通話ともに定額プランを利用すればクリアできる部分です。

定額支給だと、たくさん使った人も、あまり使わなかった人も同じになってしまうという欠点があるけれども、毎月の利用明細書を見て細々と仕分け作業をしたり、業務で発生した通信費をウヤムヤにするよりはマシでしょう。

仕事の成果物は会社のものだから、仕事で使うものは会社が用意する。もしそうせずに、社員さん本人に仕事での通信費を負担させてしまうと、これは考えすぎかもしれませんが、会社が仕事の成果物を管理しきれないなどという場面も起こりうるのかもしれません。

個人所有の携帯電話を仕事で使った場合、その通信費をどうするか。些細な点ですが、これも労務管理で決めることなのです。





 

 

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