book606(私的なメールを禁止しているが、私的な通信を禁止していない。)




■メール以外ならばOK?


「業務中に私的なメールをしない」

こんなルールを設けている会社もあるのではないでしょうか。

就業規則にメールについて書かれている場合もあれば、暗黙のルールとか、口頭での注意でもって仕事中にメールをしてはいけないと伝えているところもあるかもしれない。

確かに、業務中には"職務専念義務"というものがあって、就業規則の服務規程の部分に書かれていたりします。

ただ、通信可能な会社のPCや個人的に所有している携帯電話などの通信端末を使うと、業務とは関係ない通信を行うことも可能です。そのため、私的なメールを禁止する会社もあるのでしょうね。


私的なメールを禁止するルールを設けるのはよいとしても、果たしてそれだけで足りるのかどうかが疑問を抱くところです。

会社のPC経由を経由したメールのみに限定しているならば、携帯電話などでのメールはOKとも思える。さらに、会社のPC以外の通信端末を含めて私的メールを禁止しているならば、「じゃあ、メール以外ならばOKなのか? メッセージアプリや通話アプリで通信するのは構わないのか?」と思える。


通信手段が充実してきている状況で、果たしてメールのみを禁止するだけで目的は達成できるのかどうか。ここが今回の考えどころです。







■通信手段はイッパイある。


2013年から15年ぐらい前ならば、主な通信手段といえば電話、FAX、メールぐらいでした。BBSを使った通信もできましたが、これは不特定多数に情報を発信する手段でしたので、個別に連絡する手段としては、左記の3つが主体だったと思います。

昔ならば、メールと通話を制限すれば、仕事中の通信をコントロール出来ました。しかし、2013年の時点では、メールと電話だけが通信手段ではありませんよね。

FacebookやTwitterなどを利用していると分かりますが、これらのウェブサービスでは、専用のメール機能やメッセージ機能を使って、利用者間で個別に連絡する機能があります。これらの機能はスマートフォンのアプリを経由して利用できるので、従来のメールや電話よりもカンタンに個人間の通信が可能です。

他にも、LINEやSkypeのようなチャット機能を持ったウェブサービスを利用すれば、メールや電話と同様に、相手と通信することができる。


こんな状況で、メールを禁止するだけで足りるのでしょうか。

もはや、メールだけが私的な通信手段じゃないのですから、「私的なメールを送ってはいけません」というような就業規則のルールは見直さないといけないでしょう。


じゃあ、どうやって私的な通信を制限するのか。

おそらく、業務中は通信機器そのものを持たせないようにしないと、私的な通信は防げない。更衣室のロッカーに携帯電話を入れるとか、貴重品ロッカーに通信機器を入れておくとか、業務中は通信機器を持てないようにしないといけなくなる。

ただ、鍵がかからない更衣室のロッカーだったり、ロッカーそのものがない職場も多いはず。となると、貴重品である携帯電話はポケットに入れて仕事をせざるを得ない。また、仕事中に連絡するとき、個人の携帯電話に電話することもあるでしょうから、むしろ携帯電話を仕事中に持っていてもらうほうが都合がいい場合もありますよね。

となると、ケータイは持っていてもいいけど、仕事中は業務連絡以外の理由であまりいじらないようにしてもらう。

個人のモラルで管理してもらう。これが精一杯の対処ではないかと思います。






山口正博 社会保険労務士事務所
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