book605(まとめて休暇を消化する施策。)




■選択肢は計画付与以外にもある。


有給休暇は1日単位で使うのが一般的ですが、会社によっては、半日単位や時間単位で休暇を利用できるところもありますよね。

より細かい単位で休暇を使えるようになると、隙間時間を作り出したり、ちょっとした私用や家事の時間を作ることもできる。そのため、細切れで休暇を利用できる選択肢を用意しているのかもしれない。

ただ、半日や時間単位で休暇を利用出来れば、便利そうですが、日数の管理がしにくくなる。半日だと0.5日、時間単位だと0.1とか0.25のような数字も出てきて、残日数を計算する手間が増えるはず。


もちろん、半日単位の休暇や時間単位の休暇への需要もあるでしょうから、そのような利用法もあっていいと思います。ただ、細切れで休暇を使ってしまっては、もはや休暇ではなく休憩のようなものに変わってしまいかねない。有給休暇ならぬ「有給休憩」と表現すべきでしょうか。

時間単位ならば、2時間だけ有給休暇を取得することもできるのでしょうが、これを有給休暇と表現するのはちょっと違和感がある。

もし、2時間の時間が必要ならば、出勤時間をずらすとか、休憩時間を当日だけ延ばしてもらうとか、帰宅時間を早めて早退するとか。代替的な手段はある。

ただ、上記のような方法で対応すると、給与が控除されたり、人事評価が下がるかもしれない。確かに、そういう面もある。

しかし、2時間だけ休暇というのはヘンだと感じるのではないでしょうか。休暇というのは、休みであって、バカンスであって、ホリデーやバケーションです。2時間だけのバカンスはバカンスじゃないし、2時間だけのバケーションでは短すぎる。

休むために使うのではなく、家事、育児、免許証の更新のために半日休暇や時間休暇を使うならば、1日まるごと休んでもいいんじゃないか。私はそう思います。

半日や時間単位で有給休暇を使えるような職場ならば、労務管理もキチンとしていて、代替人員も豊富なのではないかと思います。ならば、あえて時間単位で休暇を取得して、仕事と休暇を混ぜてスケジュールに入れなくても良いように思えます。


なるべく休暇をまとまって使うようにして、細切れで使わないようにするにはどうしたらいいか。

半日単位や時間単位、さらに1日単位という小さな単位で休暇を使うのではなく、4日まとめて、7日まとめてというように、ドバっと休暇を消化するにはどうしたらいいか。

休暇の利用を促進するには、計画付与が一般的な手段です。これは、よく提案される方法ですよね。

しかし、計画付与もうまく機能しないときもあるのではないでしょうか。計画休暇だけれども、思ったように休暇を消化していない。計画休暇の部分だけは消化できていても、自由利用の休暇は残ったままとか。

計画付与以外にも、何か休暇の利用を促進する手段があれば良いですよね。


では、休暇の計画付与以外にどんな手段があるか。ここが今回の問題点です。







■連続した休暇がお得。


まとめて休暇を使うには、それなりの仕組みと動機が必要です。

そこで提案するのが、割増休暇の仕組みです。


例えば、「3日以上連続した有給休暇を取得した場合、取得した休暇の1/2を割増有給休暇として追加する。なお、休暇数に端数が生じたときは切り捨てる」という仕組み。

具体例を示すと、3日連続の休暇を取得すると、1.5日が追加される。4.5日なので、端数は切り捨てて、休暇数は4日になる。追加された休暇は通常の有給休暇とは別に会社が用意する。

この仕組の特徴は、「なるべくまとめて休暇を取ったほうがトクだ」と思わせる点にあります。バラバラで休暇を使っても休暇は増えませんが、まとめてドバっと取得すると、休暇が増える。そのため、連続した休暇を取得しようという動機が生まれるのですね。


さらに、3日連続ではなく、5日以上連続を条件にすれば、さらに消化は進みます。また、割増のハードルを上げることも同時にできるので、会社にとっても都合がいい。

5日以上連続が条件ならば、もし6日連続で有給休暇を取得したとしたら、その1/2がプラスされるので、9日の休暇になる。内訳は、6日分は手持ちの有給休暇から利用して、残りの3日は会社が特別に休暇を付加する。

単純に取得するよりもお得感がある。細切れよりも、まとめて取得しようという動機が生まれる。

上記のような割増休暇の仕組みは、有給休暇の取得を促進する施策の例として良いのではないかと考えました。


労務管理では、人の気持ちをどう取り扱うかがポイントになりますから、上記のように、「まとめて休暇を使おう。その方がお得だ」と相手に思わせるように仕掛けを作るのも一考する余地があると思います。




山口正博 社会保険労務士事務所
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