book562(裁量的に休暇を使うか、計画的に休暇を使わせるか。)




■職場の雰囲気と有給休暇の消化率。



本人が申請して、本人が望む日に必要なだけ有給休暇を取得できる。これが本来は理想ではありますが、現実には望むように取得できない場合もある。

本当は自主的に休暇を利用してもらうのがいいけれども、同僚に気を遣う、上司に気を遣う、会社の雰囲気、今まで有給休暇を取る人がいなかった、役員が休暇の取得に否定的、などなど。

有給休暇を利用するときの最大の壁は、「周りの人に気を使う」という点です。休暇の取得申請をするとき、妙に後ろめたい感じがする。私も経験があります。

「堂々と使えばいい」、「有給休暇は労働者の権利です」などと言うのは容易いけれども、実際に堂々と使うとなれば、意外と使いにくい。権利といえども、使いにくい。それが現実ではないかと思います。

特に、有給休暇を取得した人が過去にいない職場ならば、休暇の使いにくさは言うに及ばずです。中には、有給休暇を取りたいと言えば会社をやめなければいけないぐらいの雰囲気になりかねない職場もあるのではないでしょうか。


それゆえ、休暇を本人の申し出によって利用するよりも、計画的に消化する方が気を使わなくてもいいので都合がいいのかもしれない。











■計画有給休暇を設計する。



有給休暇を計画消化できることはご存じの方も多いはず(労働基準法39条5項)。このルールを利用して、休暇の消化率が低い会社は休暇の計画取得制度を導入することがあります。

ただ、どうやって計画消化するかが問題となります。5日を超える部分については計画的に有給休暇を付与できると労働基準法39条5項に書かれていますが、計画付与の仕方までは書いていないので、会社ごとに方法を決める必要がある。つまり、計画年休のルールをどうするかは会社によって異なるわけです。


一案として、休暇の残日数と月当たりの付与日数をリンクする方法があります。

例えば、

残日数30日以上:月に3日の計画年休
残日数20日以上 - 30日未満:月に2日の計画年休
残日数20日未満:月に1日の計画年休
残日数5日以下:計画年休の対象外

というように、計画年休のルールを決める。

このルールだと、残日数が多い人ほど月あたりの休暇日数が多くなる。さらに、日数が減ってくると、取得する日数も比例して減るようになっています。

また、全員が休む一斉の計画付与ではなく、月あたりで休暇日数を設定し、勤務スケジュールを調整して休暇を消化する仕組みにするのもポイントです。

月あたりの利用日数だけを指定して、日程は各自のスケジュールや人員配置で調整できるようにすることで、拘束力を緩和した計画休暇にできるわけです。


もし、一斉の計画付与で全員が同時に休むとなると、必要な残日数の無い人をどうするかで悩んでしまうので、一斉に利用する方式にはしない方が都合が良いですね。月単位で休暇を計画配分する方式にすれば、休暇の残日数が多い人も少ない人にも対処できます。




山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所