book532(健康保険の目玉は3つ。)



■3つの給付。



健康保険を使う場面で最もよく知られているのは、おそらく風邪や怪我で診療所や病院に行って治療を受けたり、薬を処方するときではないでしょうか。1割から3割の負担で医療機関のサービスを利用できる便利な仕組みです。

健康保険には他にも給付が色々とありますが、特に知っておきたいもの3つ挙げるとすれば、「3割負担の診療」、「高額療養費」、「傷病手当金」ではないかと思う。「出産関連の給付は含めないの?」と思うかしれませんが、あえて3つ挙げるならという場面を想定しましたので、含めませんでした。この点については、人によって判断が異なる可能性があります。

上記の3つを知っておくと、おおよそ満足に健康保険を利用できるのではないかと思います。

特に傷病手当金は、健康保険に加入している人と被扶養者で違いがありますし、国民健康保険に加入している人と協会けんぽや組合健保に加入している人との間でも違いがある。

病気や怪我で長い間仕事ができないときであっても、健康保険と厚生年金の保険料は必要ですから、もし傷病手当金がないと、ちょっと困る場面もあるかもしれない。ちなみに、業務上の病気なり怪我ならば、労災がありますから、こちらは心配するほとでもないと思います。

被扶養者だと傷病手当金制度を利用できない(退職後の継続給付は除く)し、国民健康保険には傷病手当金制度そのものがない。考えると、会社員の健康保険は傷病手当金がある点で他の立場の人よりも若干ながら有利ではあります。







■厚生年金なしで健康保険だけ加入したいという望み。



保険料は相応の負担だけれども、内容が随分と良いものなので、人によっては「厚生年金には加入せずに、健康保険だけ加入したいよね」と思うかもしれませんね。私も、以前は健康保険と厚生年金に別々に加入できたらいいのにと思ったことがありました。

現実には、健康保険と厚生年金の手続きはセットになっていて、健康保険に加入するときは厚生年金にも同時に加入するように手続き用紙が出来上がっていますし、制度から脱退するときも健康保険と厚生年金はセットで手続きします。それゆえ、健康保険だけ加入したいというわけにはいかないのですね。

国民健康保険、協会けんぽ、組合健保、国民年金、厚生年金、介護保険など、公的な制度は色々とありますが、この中から自分で好きなものを組み合わせて利用できたらいいのにと思ったことは1度ではありません。いまは生命保険会社の医療保険だけだけど40歳になったら国民健康保険に加入しようとか、資産は自分で構築するので協会けんぽと国民年金の組み合わせがいいとか、自分は病気や怪我をほとんどしないから医療保険は生命保険会社のものを利用して国民年金だけ加入したいとか、人によって組み合わせは様々ですね。

カフェテリアというかバイキングビュッフェのような発想で、公的保険を自分でアレンジできたら彩り豊かな生活が設計できるのではないかと想像できます。自分の健康状態や体質、経済状況を勘案して選択する。考えているとワクワクしますね。

もちろん、健康な人が健康保険に加入せず、よく病気に罹患したり怪我をする人が健康保険に加入すると、公的な医療保険として運営しにくくなるので、健康な人もそうでない人も義務的に制度に参加させることで運営しているのですね。

健康な人や自ら資産を構築できる人、いわば保険をあまり必要としてない人によって成り立っているのが公的な保険制度なのでしょうね。ヘンな感じですけれども。

山口正博 社会保険労務士事務所
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