book521(フルタイムで働くパートタイマー)





■パートタイムとフルタイムの境目。



パートタイムで働くというと、早朝の時間帯だけ仕事をしたり、正午前後の時間帯で働いたり、夕方から夜に掛けて仕事するというスタイルを思い浮かべるだろう。

つまり、時間を区切って働くのがパートタイムなのですね。

しかし、中にはフルタイムと同じ時間数で仕事をしている人もいる。パートタイムとして契約しているが、勤務時間数はフルタイム社員と同じ8時間という方です。ただ、勤務時間数は同じでも、契約上の取り扱いは時間給のパートタイムとして扱い、フルタイムとは微妙に違うのですね。

「仕事はフルタイムなのに、立場はパートタイム」の状態に違和感を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、仕事はフルタイムと言っても、必ずしも同じとは限らず、勤務時間だけ同じであり、それ以外の要素は違っている場合もある。さらには、仕事の内容はフルタイムと同じだが、勤務時間は短いという人もいるかもしれない。

ゆえに、単純に「仕事はフルタイムなのに、立場はパートタイム」と言い切れるわけではありません。







■容器は違うが、中身は同じ。


素直に考えれば、「フルタイムならばパートタイムではないし、パートタイムならばフルタイムではない」はずです。「フルタイムパートタイマー」という立場があるのかどうかは不明ですが、もしそのような立場があるとすれば、一種の矛盾ですよね。

フルタイムと同じ時間数で仕事をしているならば、フルタイムと考えるのが妥当ではあります。「中身が同じならば、容器も同じにする」という判断です。

しかし、勤務時間数だけでフルタイムかパートタイムかを分けるのは、ちょっと単純ではないかと思います。

勤務時間数は8時間であっても、転勤がないパートタイムなのかもしれません。フルタイムで仕事をしていると、店舗や支店を変えて勤務することがあるでしょう。しかし、パートタイムの場合は転勤なしで仕事ができるようになっているとすると、時間数だけでフルタイムかパートタイムかを分けるわけにはいかなくなる。いわゆる、「地域限定勤務のフルタイム=フルタイムパート」として扱っている組織もあるかもしれませんね。

他には、担当できる業務の範囲が違うという点も考慮する必要がある。組織は立場によって権限が分けられていることがよくあり、書類の取り扱い、外部との契約権限、決済可能な金額、業務オペレーションに対する裁量、発注権限、価格を設定したり変更する権限などで違いがあるはずです。

フルタイム社員にはできて、パートタイム社員にはできない(もしくは、権限がない)業務があるため、勤務時間数だけでフルタイムかパートタイムかを分けていない会社があっても不思議ではない。時間数だけでなく、業務内容も含めて立場を決めるのですね。


長時間と短時間のパートタイマーを区別しているところもあって、パートタイムAとBというように分けたり、アドバンスパートタイムなどの名称を設けて短時間の人と区別するようです。

フルタイムとパートタイムの間に中間的なポジションを設けて、社会保険に加入するパートタイマーも仕事が出来るようにしているのですね。長時間パートタイマーというポジションは、社会保険に加入したいという需要に応じて作られたものだと考えれば分かりやすいでしょうか。

山口正博 社会保険労務士事務所
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