book502(所定時間外の残業と法定時間外の残業)




■どちらが残業か。それとも、両方とも残業なのか。



残業というと、「一定の時間を超えて勤務すること」と理解されていると思います。予定した始業時間と就業時間の枠を超えて仕事をすると残業だと判断するわけです。

ただ、残業は大きく2つに分けることができ、その2つは互いにちょっとだけ違います。

例えば、10時の始業で15時が終業の勤務スケジュールを想定すると、10時から15時の5時間で仕事が終われば、時間内で仕事が終わったと考えます。では、9時40分に始業して、15時に終わったらどうか。また、9時に始業して、15時10分に終わったらどうか。10時が始業なのだが、20分早く仕事を始めたら、これは残業だろうか。また、15時が終業時刻なのだけれども、10分だけ延長して仕事をしたら、これは残業だろうか。

なお、5時間勤務の場合、休憩時間が設定されている企業もあるかと思いますが、今回は休憩時間が無いものと仮定します。


所定労働時間は10時から15時という前提で、9時40分に始業したり、15時10分に終業したりするわけです。この場合に、残業は発生していると言えるのかどうか。この点が今回の焦点です。






■残業の定義。



所定労働時間が10時から15時で、9時40分に始業、もしくは15時10分に終業すれば、これは残業です。ただし、「会社的な残業」であって「法的な残業」ではありません。

もし、始業時間が10時で終業時間が19時(休憩が60分)という前提で、始業時刻だけが9時40分に変われば、20分の残業です。これは法的な残業です。また、法的に残業であるので、会社的にも残業になるはずです。

会社的に残業であっても、必ずしも法的に残業であるとは限らない。しかし、法的に残業であるならば、会社的にも残業になる(ならなければ法律違反です)。


単に残業というと、所定労働時間を超えた残業なのか、それとも法定労働時間を超えた残業なのか分からない。私は、残業を「法定労働時間を超えた勤務」と考えていますので、所定労働時間の枠を超えた勤務を残業とは考えません。

よって、所定労働時間が10時から15時という前提で、9時40分に始業したり、15時10分に終業しても、残業にはなりません。


ただ、会社によっては、法定労働時間だけでなく所定労働時間を超えても残業として扱うところもあるようです。ただ、所定労働時間を超えた勤務まで残業として扱っている会社はおそらく稀だと思います。あえてそこまでする必要がないのにしているのですから。

山口正博 社会保険労務士事務所
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