book500(全員出勤して全員休日の会社)




■一斉勤務、一斉休憩、一斉休日。



規模の小さい会社だと、会社のメンバー全員が常に出勤していることも少なくない。

例えば、社長を含めた社員数が7人の会社があるとして、この7人が毎日全員出勤しているという状況を考えるといいかもしれない。もちろん、毎日といっても休日はあるので、暦の上では毎日とは言えない。

日曜日が休日であるとして、月曜日から土曜日まで仕事があるとして、毎日7人全員が出勤している。そんな会社もあると思う。中には、社長だけは外出していないことが多いけれども、社長以外は全員出勤という会社もあるはず。

このようなタイプの会社では、一斉に始業し、一斉に休憩し、一斉に終業し、一斉に休日で休むのではないでしょうか。9時に仕事を始めて、12時になったらピタリと仕事を止めて昼ご飯。13時になったら一斉に仕事を開始し、17時になればお疲れさんとなる。

私も経験があるが、肉体作業系の仕事はこのタイプが多いかもしれない。道路舗装工事、何らかの建設作業、建設足場の組み立てなど。始業、休憩、終業、休日が一斉に取り扱われる傾向がある。あんたは11時から休憩、君は12時30分から休憩というようにバラバラで時間を管理することはあまりないはず。

もちろん、休憩は一斉に取るのが労働基準法では原則なのですが、あえて一斉に取らないと不都合な場合でないと一斉には休憩を取らないと思います。バラバラに休憩を取得すると、作業がやりにくくなるので一斉に取り扱っているなどの理由がないと休憩を一斉に処理することはないでしょう。


もし、上記のような環境で働いているとすると、休暇の取得はどうなるのかが疑問を抱くところです。全員が一斉に動く環境で、どうやって有給休暇を取得するのか。

全員が一斉に仕事をするときに休暇を取れるだろうか。この点は以前からどうなのだろうかと考えていたところです。






■余剰人員を抱えていないと休暇は取得しにくい。



有給休暇は仕事に余裕がある職場でないとおそらく取得できないのではないでしょうか。全員が同時に仕事に取り組み、休憩し、休日に休むという環境で、有給休暇を入れ込む余地がどれほどあるのか。

1人や2人が休暇を取得しても仕事に差し支えない職場ならば問題はないでしょうが、常時全員出勤を基本とする職場ではちょっと困るはず。

人によっては、「お互いに協力しあって休暇を取得できるようにすればいいのでは?」とも思うかもしれないが、休暇を取得する習慣がない環境だと、そもそもの切っ掛けがなく、取り付く島がないのではないでしょうか。

確かに、人員のやりくりはお互いの協力で対応できそうです。しかし、休暇を取得する際には雰囲気が影響します。他の人が休暇を取得していないとか、いままで休暇を取得する人がいなかったとか、上司が休暇を取得しないとか、要因は色々と考えられます。


私が思うに、余剰人員がいないと休暇は取得できないのではないでしょうか。平日は全員出勤で、休日は全員が休みという環境では、休暇を取得する余地を作れないと思います。

法律違反なので会社に問題があるといえばそうですが、そのような会社を選んだ本人にも落ち度はある。

もし、キチンと休暇を取れる、遅配なくキチンと給与と賞与が支給される、そんな環境を望むならば、相応の企業に行くべきです。「就職するならば大企業だ」という価値観は決して間違っていません。むしろ正解と言うべきです。


中には、

「中小企業はおもしろいぞ」
「ベンチャーで自分の可能性を試してみたらどうだ?」
「鶏口牛後という言葉があるぞ」

などと、もっともらしいことを言う人もいるけれども、あえて不満が発生しやすい環境に人が進んで入っていくことはあり得ない。人によっては変わった人もいるけれども、マトモな人はそのような環境に入らない。


有給休暇を取得できない会社、社会保険に加入していない会社、雇用保険に加入していない会社、週休1日の会社、時間外手当を支払わない会社、休日割増や深夜割増がない会社。このような会社は決して珍しいものではなく、身近にある。


会社に入ってからではなく、入る前に事情を分かった上で選択をしたいところです。


自分を変えるのは容易ですが、他者を変えるのは容易ではありませんからね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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