2011/6/6【勤務形態の変更と休暇の計算処理。】



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勤務形態の変更と休暇の計算処理。
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■働き方が変わると、休暇も変わる。



出勤率と週間勤務日数によって有給休暇の日数が決まることはご存知のとおりです。出勤率8割以上であり、週間勤務日数に応じて休暇日数が割り当てられます。週1日勤務の人や週2日勤務の人には比例的に休暇の日数が割り当てられますし、また週5日で勤務する人には労働基準法39条2項(以下、39条2項)の標準日数が割り当てられる。

ちなみに、有給休暇の日数を決めるときは、勤務形態は影響しません。例えば、パートタイマーであっても週5日で勤務していれば、フルタイマーと同じ休暇日数になります。また、1日あたりの勤務時間も影響しません。8時間勤務であっても、5時間勤務であっても、3時間勤務であっても全て1日勤務として扱います。

一般に、パートタイマーとして入社した人はずっとパートタイマーで働き、フルタイマーで入社した人はずっとフルタイマーで仕事をするのでないでしょうか。おそらく、多くの人はそうかもしれない。

しかし、人によって、また環境によっては、勤務形態の切り替えがあるかと思います。パートタイマーからフルタイマーに。フルタイマーからパートタイマーに。契約社員からプロパーのフルタイマーに。派遣社員からプロパーの契約社員など。必ずしも入社時の勤務形態がずっと続くとは限らない。


労働基準法では、パートタイム社員はずっとパートタイム社員で勤務すると想定して有給休暇のルールを設計しており、また、フルタイム社員はずっとフルタイム社員で勤務すると想定して有給休暇のルールを設計している。そのため、勤務形態を切り替えたときに休暇の取り扱いに困ることがあるわけです。

例えば、週3日勤務のパートタイマーの人がフルタイマー(週5日勤務と想定)に切り替わったら、休暇の付与日数をどう決めるか。逆に、フルタイマーが週3日勤務のパートタイマーに切り替わったら、休暇の付与日数をどう決めるか。

勤務形態が変われば、休暇の計算方法も変更しなければいけないわけですが、このスイッチをどのタイミングで実施するかが問題となります。

どこまでをパートタイム社員の期間と評価して、どこまでをフルタイム社員の期間と評価するのか。両方の期間が混ざっている時が最大の悩みどころですよね。





■異なる勤務形態の期間が混在している。



勤務形態を変更すると、有給休暇の計算期間(6ヶ月、1年6ヶ月、2年6ヶ月、3年6ヶ月、、、という39条2項で指定された期間のこと)の間に異なった勤務形態の期間が混在することになります。

例えば、パートタイマーとして入社し、週3日で仕事を続けていた人がいて、入社から2年2ヶ月時点でフルタイマーに勤務形態を変更した場合を想定します。その場合、2年2ヶ月まではパートタイマーとして評価し、2年2ヶ月から2年6ヶ月まではフルタイマーとして評価するはずです。となると、有給休暇の計算期間である1年6ヶ月から2年6ヶ月までの間に、8ヶ月のパートタイマー期間と4ヶ月のフルタイマー期間が混在することになるのですね。

逆に、入社した時点ではフルタイマーであったが、入社から2年2ヶ月時点で週3日勤務のパートタイマーに勤務形態を変更した場合はどのようになるか。この場合だと、有給休暇の計算期間である1年6ヶ月から2年6ヶ月までの間に、8ヶ月のフルタイマー期間と4ヶ月のパートタイマー期間が混在することになる。

上記の例の場合、有給休暇の計算方法の評価替えをどの時点で実施するかがポイントになります。フルタイマーとして扱い、12日の休暇を付与するべきか。それとも、パートタイマーとして扱い、比例付与で6日の休暇(週3日勤務の場合の休暇日数。12×3/5.2 ≒ 6.923)を付与すべきか。または、月割で比例計算するべきか。



パートタイム社員からフルタイム社員への切り替えといっても、大きく分けて2パターンあります。例えば、週5日勤務のパートタイマーだった人がフルタイムに切り替わったとしても、休暇の処理は変わりません。この場合は、パートタイムもフルタイムも39条2項の標準日数が付与されるので、問題にならないでしょう。疑問が発生するのは、週5日未満で勤務するパートタイマーの人がフルタイムに切り替わったときです。

比例付与のテーブルから39条2項の標準のテーブルへの切り替えをする必要があるのですが、12日にすべきか、6日にすべきか、それとも月割計算かで判断が別れるところです。

もし、入社して2年2ヶ月を経過した段階で、週3日勤務のパートタイマーの人がフルタイムに切り替わったとすると、1年6ヶ月以降から2年2ヶ月までの8ヶ月がパートタイムで、2年2ヶ月から2年6ヶ月までの4ヶ月がフルタイムなので、「パートタイマーの身分での休暇日数である6日×8/12 = 4」と「フルタイムとの身分での休暇日数である12日×4/12 = 4」の合算で月割計算すると、休暇日数は8日になります。

全てフルタイム期間として計算すれば12日。全てパートタイム期間として計算すれば6日。それぞれの期間を月割計算すれば8日。最大で6日の日数差がありますね。

では、3つの選択肢のうちどれを選択するのが妥当でしょうか。39条では、週間勤務日数は固定的なものと仮定され、勤務形態も固定的と仮定されているので、上記のような週勤務日数や勤務形態の変化には対応していません。それゆえ、上記3つの選択肢のどれを選択しても法的には間違いとは言い切れない。

他の選択肢として、より長い期間で評価する方法もあるかもしれない。つまり、上記の例だと、パートタイムで8ヶ月なのだから、1年6ヶ月から2年6ヶ月までの1年間をパートタイムで評価するのです。逆に、1年6ヶ月から2年2ヶ月までフルタイムで、2年2ヶ月から2年6ヶ月までパートタイマーならば、フルタイムの期間のほうが長いので、1年6ヶ月から2年6ヶ月までの1年間をフルタイムとして評価する。

考えればさらに他の選択肢が生まれるかもしれないが、いずれにせよどれかを選択しなければいけないのは確かです。

もし、厳密さを追求するならば、月割計算が良いと思えます。それぞれの勤務形態でそれぞれに応じた休暇計算を行うので理論的ではあります。ただ、このような計算を事務の担当者があえて行うかどうかは不明です。このようにすべき義務がありませんので、あえて月割計算で処理してくれるかどうかは分かりません。







■厳密さと分かりやすさのトレードオフ。



私は、1年6ヶ月から2年6ヶ月までの1年間をフルタイムとして扱ってしまうのが妥当だと思います。パートタイムからフルタイムへの切り替えでも、フルタイムからパートタイムへの切り替えても、どちらも1年6ヶ月から2年6ヶ月までの1年間はフルタイムとして処理すれば分かりやすく、かつ、簡単です。

フルタイムの期間があるのに、全ての期間をパートタイムとして評価すれば恐らくクレームが出るでしょう。一方、月割計算だと処理が面倒かもしれないし、社員さんに月割計算のプロセスを説明し、なぜこの日数になったかを社員さんに説明しなければいけないでしょう。もし、うまく説明できない、もしくは説明を理解してもらえないとなると、これもクレームの元になる。

それゆえ、より分かりやすく、より簡単な選択肢である「すべての期間をフルタイムとして処理する方法」を選択するのです。この選択肢ならば、法定ラインを下回る休暇日数にならないですし、事務処理が簡単で、社員さんへの説明も容易です。付与日数が若干多くなるのが欠点ですが、利便性と説明の容易さを考えると有利な選択肢だろうと思います。


勤務形態が異なる期間が混在しているときは有利な方を適用して、期間の混在が解消された後で実態に合わせるというわけです。

ちょっとだけ厳密さを放棄して、事務処理を簡単にするのがポイントですね。









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