book489(法定労働時間を超えるシフト)



■8時間を超える勤務スケジュールを組む。



仕事をするときは、おそらく勤務スケジュールを事前に決めるかと思います。パートタイマーならば、月曜日は9:00-13:00、水曜日は9:00-15:00、木曜日は10:00-14:00というようにシフトを組み上げるはず。フルタイマーだと勤務時間は固定的なのであまり操作しないですが、休日の曜日を設定するぐらいならばあり得るでしょう。

勤務スケジュールを決めるとき、通常は法定労働時間内で時間を割り振ると思う。1日8時間、1週40時間(例外44時間)の枠内で勤務シフトを組み上げるのが普通だ。上記のように、月曜日は9:00-13:00、水曜日は9:00-15:00、木曜日は10:00-14:00というシフトならば、月曜日は4時間、水曜日は6時間、木曜日は4時間が勤務時間になる(休憩は除外している)。1日8時間を超えない範囲で勤務スケジュールを決めているわけです。

では、月曜日9:00-19:00、水曜日9:00-12:00、木曜日10:00-12:00という勤務スケジュールを決めたらどうか。水曜日は3時間勤務で木曜日は2時間勤務だが、月曜日は1時間の休憩時間を除くと考えても1日9時間の勤務になる。つまり、勤務予定を設定する段階ですでに法定労働時間を超えているのですね。

もし、変形労働時間制を採用しているならば、1日9時間や1週49時間という勤務スケジュールを事前に設定することが可能ですが、変形労働時間制を利用していない前提ならばどうか。

1日8時間、1週40時間(例外44時間)の枠内で勤務シフトを組み上げるべきか。それとも、勤務予定を立てているだけであって、それ自体を制約する必要はないのか。






■焦点は、予定ではなく実績。



法定労働時間を超えて勤務スケジュールを立てることには規制がありません。実際に法定労働時間を超えて仕事をした場合には規制がありますが、1日9時間勤務とか1週49時間勤務というスケジュールを事前に立てるという点については制約を課していないのですね。

法定労働時間規制は、一定の時間枠を超えた勤務に対してフォローを求めたものであって、未実現の労働に対して何らかの制約を課すものではありません。つまり、実際に法定労働時間を超えたかどうかが焦点なのであって、予定を立てるだけでは問題にならないということ。

もし、実際に1日9時間勤務という予定通りに時間外勤務が発生したとしても、36協定を事前に締結し、発生した時間外勤務に対して手当を用意すれば通常通りに処理できます。

例えば、木曜日に9時間勤務のスケジュールが組まれていても、36協定を事前に締結しており、さらに、1時間分の時間外手当が用意されていれば構わないわけです。予定が問題なのではなく、実績が問題なのですね。


ただ、変形労働時間制を採用していないにもかかわらず、法定労働時間を超えた勤務スケジュールをあえて設定する必要性はないはずです。事後的に処理すれば足りるのですからね。

1日9時間や1週49時間というように、わざわざ物議を醸すような勤務スケジュールを設定せずに、1日8時間、1週40時間を上限にスケジュールを設定し、枠を超えた分はその都度事後的に処理するのがいいでしょうね。


山口正博 社会保険労務士事務所
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