book480(平均賃金のイメージと実際の違い)





■思っているものとは違うかもしれない。



有給休暇の賃金を計算するときや休業を実施するとき、平均賃金を使う場面に遭遇するかと思います。労働基準法12条を読むと平均賃金の中身について知ることができる。

一般に、平均賃金というと、一定期間の賃金を勤務日数で割ったものと思われやすい。「平均賃金を算定する必要が生じた日以前3ヶ月の賃金を勤務日数で割った数字」が平均賃金だと思われている傾向がある。

単純に考えると、月収40万円の人が月20日で勤務していると前提を置くと、3ヶ月なので120万円(40×3)を60日(20×3)で割れば平均賃金が計算できると考えるわけです。この場合は、1日あたりの平均賃金は2万円(120÷60)ですね。

しかし、上記の計算は労働基準法12条の計算とはちょっと違います。一般的感覚では、上記の計算で平均賃金は計算できていると思えるでしょうが、労働基準法の計算とは異なります。ただ、異なりはしますが、やってはいけない計算ではありません。。







■勤務日数ではなく総日数を使う。



労働基準法12条では、「勤務日数」ではなく「総日数」を使って計算します。つまり、先程の例だと、120万円を総日数で割るわけです。1ヶ月が30日だと仮定すると、120万円÷90日(3ヶ月の総日数)の計算式になり、1.33万円が平均賃金になるわけです。

勤務日数で計算すれば2万円だが、総日数で計算すれば1.33万円に変わるのですね。この点が平均賃金のイメージと実際の違いです。


ただし、「その期間の総日数」を「その期間中に勤務した日数」と読み替えて平均賃金を計算しても支障はありません。なぜならば、勤務日数を利用して計算した方が労働基準法12条の計算よりも平均賃金が高くなるからです。

総日数で計算すればより厳密な平均賃金が計算できる。一方、勤務日数を使えばイメージと乖離しない平均賃金を算出できる。どちらを選択するかは会社の任意です。


山口正博 社会保険労務士事務所
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