book474(休暇の時間を除くか含むか)






■みなし勤務時間=勤務時間。



通常、有給休暇は時間で把握されているかと思います。

1日8時間勤務という前提で考えると、1日休暇ならば8時間仕事したと"みなし"ている。半日休暇ならば、4時間仕事したと"みなし"ている。時間単位休暇ならば、休暇取得した時間だけ仕事したと"みなし"ているのですね。

ここでは、「みなしている」と書いていますが、実際には仕事をしていない時間だけれども、仕事をしたと考えて賃金の計算に入れるのが有給休暇ですから、"みなし"ているという表現を使っています。

さて、ここで問題になるのが、みなした時間も含めて時間外労働の時間を計算するのか、それとも、みなした時間を除いて時間外労働の時間を計算するのかという点です。

例えば、1日8時間を超える勤務が法定外の勤務になるわけですが、ここで半日の休暇を取得して、さらに5時間仕事すれば、時間外勤務の時間は何時間なのか。半日休暇が4時間で、仕事をした時間が5時間だから、合計で9時間。よって1時間の時間外勤務と判断するのか。それとも、実際に仕事をした時間は5時間だから、1日8時間を超えていないので、時間外勤務はないと判断するのか。






■実際に仕事をした時間=勤務時間。



勤務時間を把握するときは、「実際の勤務時間をカウントする」という点がキーです。

有給休暇の時間分は勤務時間に含むかどうかが問題の焦点ですが、計算上は勤務時間として把握するけれども、実際に勤務した時間としては把握しないのですね。計算上と実際で扱いを変えているので分かりにくくなるところですが、「実際に仕事をした時間が勤務時間だ」という点から離れなければ迷うことはありません。よって、有給休暇のような言わば「みなし勤務時間」は勤務時間の計算に入れないわけです。

しかし、計算に入れても差支えがあるわけではありません。計算上と実際で同じ数字を使うことで誤解されないようにするために、あえてみなし勤務時間も実際の勤務時間として扱うのです。この場合、時間外手当を必要以上に支払うことにはなりますが、計算の仕組みは分かりやすくなりますし、計算上と実際の勤務時間の間のズレも回避できる。

有給休暇を1日単位だけで利用する環境ならば上記のような問題は起こらないでしょうが、半日や時間単位で休暇を運用していると上記のような問題が起こります。

有給休暇を半日や時間単位で把握しているならば、勤務時間に含むのが分かりやすいのかもしれませんね。

ただし、分けて処理しても含めて処理しても、どちらでもいいのですが、分けるなら分ける、含めるならば含めるという立場を固定するべきです。「以前は含めていたのに、先月からは分け始めた」となると現場の人は混乱しますから、人によっては「不利益変更では?」と思う人もいるかもしれないので、処理方法は固定しておくのが良いです。


山口正博 社会保険労務士事務所
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