book473(休憩を分割して利用することは可能か)




■「分けても休憩は休憩だろう」という思い。



ご存知のように、一定時間にわたって仕事をすると、一定時間の休憩があります。労働基準法の34条では、6時間超で45分、8時間超で1時間という2つのメニューだけですが、4時間超で30分や3時間超で15分という小刻みで休憩を設定している会社もありますよね。さらには、6時間朝で1時間、8時間超で1時間30分という休憩を設定している会社もあるかもしれない。

休憩時間の長さは34条の設定ラインを下回らなければ任意で設定できますので、組織ごとに休憩のメニューは異なることがあります。

休憩時間は一括して利用するのが常識的といってしまえば常識的ですが、人によっては休憩を分割して利用したいと要望するかもしれない。例えば、1時間の休憩を30分で2回に分割するとか、45分を15分と30分に分割するなどの要望があり得るわけです。

では、休憩を分割したいという要望に対してどのように対処すべきでしょうか。

分割を希望しているのだから応じるべきなのか、それとも、応じないのか。この点が問題となります。






■休憩分割のルールはない。



先に結論を言えば、休憩を分割するルールはありませんので、社員側が休憩の分割を申し出る根拠はありませんし、企業側が休憩の分割に応じる根拠もありません。よって、各組織ごとに自主的に解決することになります。

休憩を分割して利用することにどれほどの効用があるのか。一括で利用すると不都合なのか。もし分割するとして、休憩時間を管理できるのか。もし分割するとして、何分割までOKなのか、また最低何分までのロットで分ければOKなのか。このように、考えるポイントがいくつか発生しますね。

現実には、休憩の分割はダメと考える会社の方が多いのではないでしょうか。管理が面倒ですし、分割の基準を設けるのも厄介ですからね。私もこの立場を支持します。分割するメリットは全くないとまでは言わないまでも、会社側の管理作業を面倒にしてまで実現するものではないです。さらに、会社で働いていると、正規の休憩時間とは別に「小休止」という休憩に類似した時間がありますよね。ちょっと飲み物を飲む時間とか、ちょっと喫煙で一服とか、チョコチョコと休憩(これを「休憩」と呼ぶべきかどうかは微妙)しているわけです。

さらに、各自で休憩を分割させると、どのように分割しているかが外部から分かりません。酒田さんの休憩時間は1時間だけれども、一括で利用しているのか分割で利用しているのかを他者が把握するのは難しいはず。休憩の分割をするときは申請するという手順を設ける方法もありますが、たかが休憩の分割で申請というのは大げさな気がします。


「休憩時間は自由に利用できる(34条3項)」のですが、休憩の「使い方」は自由だが、休憩の「取り方」は自由ではないということを知ると良いでしょう。34条3項では、「休憩時間を自由に利用させなければならない」と書かれていますが、この自由利用は「休憩の中身の自由」について書かれたものであって、「休憩をいつ取得するかという自由」は含まれていないと解釈するのが自然です。つまり、いつ休憩を取得するかは会社が決めるのだから、休憩の分割をOKするかどうかの主導権は会社側にあるわけです。

山口正博 社会保険労務士事務所
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