book470(私用メールは防止できない)





■仕事中のメールを防ぐのはもう無理だ。



就業規則で、業務中の私用メールを禁止するルールを設けている企業があるかと思います。勤務時間中は仕事に専念すべきであって、仕事以外のことをしてはイケナイという価値判断に基づいているのだと想像します。

しかし、業務中の私用メールは本当に禁止できるのでしょうか。会社に設置しているPCだと、ネットワークを監視しているために私用メールを防ぐことが可能かもしれませんが、個人所有の携帯電話だとネットワークの監視ができないので私用のメールを防ぐことができないのではないか。

また、仕事中でも携帯電話を持っていてもらわないと困ることがありますよね。個人に連絡する手段として携帯電話は便利ですから、仕事中も携帯電話は持っていて欲しいと考える人は多いはず。しかし、仕事中も携帯電話を持っているとなると、私的に携帯電話を使っているのか、それとも仕事で使っているのか分からなくなります。

「仕事中も携帯電話を持っていろ。しかし、私的には使うな」というのはちょっと無理な注文ではないでしょうか。






■携帯電話のメールは監視されないのでプライバシーを守れる。




労務管理で、仕事中の私用メールをどう取り扱うかでプライバシーが問題となることが過去にありましたが、これはすでに古い論点です。この問題は、会社のPCで個人的なメールを送信した場合に起こることであって、個人所有の携帯電話を使ってメールを送受信した場合は含まれません。

今では、会社のネットワークを経由して個人的なメールの送信はしないし、もし送信したいときは自分の携帯電話を使うでしょう。そのため、労務管理でメールのプライバシーが問題になることは少なくなっているわけです。

以前は、メールを送信しようと思えば、会社のパソコンを使うしかなかったのかもしれませんが、今では状況が違います。その頃ならば、メールのプライバシーが問題になったはずですが、今ならば問題にならないでしょう。監視されてもいいメールだけを会社のネットワークを経由させ、それ以外のメールは会社のネットワークを経由させなければ良いのですから。

個人所有の携帯電話を仕事に持ち込んでしまっていると、もはや仕事と私用を分けるのは困難です。自転車が目の前にあるのに、歩いて移動しろと言っているようなものですからね。

個人がネットーワークを利用するコストがとても低くなったために、外部から強制的に防ぐことはもはや無理になっているのですね。社内文書を携帯電話のカメラで撮影して外部に持ち出すことができるし、携帯電話のビデオ機能を使って、会話の内容や映像を外部に漏洩させることもできる。

外部の規制で防ぐのではなく、個人のモラルで規制する時代に変わったのですね。




山口正博 社会保険労務士事務所
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