book465(雇用機会の"均等"はどの程度均等なのか)




■一切が均等でなければいけないのは不均等。



男女雇用機会均等法(「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」)では、人材を募集するときに、男女を均等に取り扱うことを義務としています。ただ、義務といっても努力義務なので、必ず守るべきというところまでは達していません。

「必ず守るべきでないならば、あまり効果を期待できないのでは?」とも思えますが、これがそうでもないのですね。

必ず守るべきではないからこそ都合がいい場面もあります。


均等な扱いというのは、度が過ぎると、かえって均等ではなくなることもある。






■性別を分けて雇用するほうが均等なときもある。



男女雇用機会均等法に従って、性別を分けて採用してはいけないとしたら、どんなことが起こるか。

例えば、ホストクラブでは男性を採用しているが、もし女性を採用したらどうなるか。ホストクラブの顧客は女性でしょうから、女性ホストに対する需要はそれほどないのではないか。女性が女性を求める場面もあるでしょうが、さほど多く無いはず。また、宝塚歌劇団のようなコンセプトで運営されているホストクラブもあっていいと思いますが、これもあまりないはず。もし、ホストクラブに女性ホストがいたとして、女性客に女性ホストが接客してもあまり歓迎はされないでしょう。女性客がホストクラブに期待するのは、カッコイイ男性に囲まれることです。

ということは、ホストクラブでは男性を募集するのが妥当ということになりますので、女性の応募は受け付けないのですね。ここでは男女間の募集に違いがあるので、純粋な意味での均等ではありませんよね。

他の例を考えると、舞妓も似たような事例になるはず。舞妓さんは女性であって男性ではないですよね(小梅太夫を除く)。男性の舞妓さんにサービスをしてもらいたい人はどれくらいいるのか。男性の舞妓さんですよ。、、、ちょっとねぇ、、。キモイかも。

他にも、いわゆるラウンジバーでも女性を採用するはず。ラウンジガールのような名称で女性を募集する紙を店舗の入口に張っている店もあります。あからさまに女性限定をアピールしていますが、これに対して「男女間で均等ではない」とクレームを言う人もいないでしょう。

採用するときには性別を表記していないのかもしれないが、暗黙的に男性か女性かを限定している人材募集もあるわけですね。一方で、明示的に男性スタッフ募集とか女性スタッフ募集と示して募集掲示していることもあります。


上記のように、性別を分けるほうがいい場面もあるのですね。男性のみを採用する方が良い場面はあるし、女性のみを採用する方が良い場面もある。それゆえ、男女の扱いを均等にすることを「努力義務」にとどめているのでしょうね。

男女間での「均衡」の意味は、杓子定規に均衡という意味ではなく、現実的に妥当な程度での均衡という意味なのですね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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