2010/1/11【年休の買い上げと買い上げ予約の矛盾】



┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■┃  メールマガジン 本では読めない労務管理の"ミソ"
□□┃  山口社会保険労務士事務所 http://www.growthwk.com?ml=20110128_20101124
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2010/1/11号 no.248)━



UFOの味が変わりつつある。

UFOと言っても、未確認飛行物体ではなく、インスタント焼きそばのUFOのこと。

以前は、1種類しかなかったが、明太子マヨネーズとかシーフード味といった新味が出てきて、最近では麺を太くする傾向だ。

改良を加えるのは良いことなのだが、どの新タイプもオリジナルを超えていないような気がする。私の味覚による判断だが、やはりオリジナルのUFOが美味しかった。今はストレート麺になってしまって昔のちぢれ麺ではないので、オリジナル版を購入できないのがちょっと残念。

つい最近では、また新商品が出たようで、麺をさらに太くしたタイプのUFOが発売されていたので、先日食べてみたが、やっぱりオリジナル版がよかったと感じる。

UFOには、Coca Colaのように、「変えない良さ」があるはずだと私は思う。







◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
年休の買い上げと買い上げ予約の矛盾。
◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






■在職中に休暇が失効したときが考えどころ。



年休には2年の時効期間が設定されており、その期間内に使い切れない場合は休暇は失効するということはよく知られていると思います。

在職中に消化しきれなかった年休は、退職後に休暇だけを単独で消化する場合があります。最終勤務日の翌日から休暇だけを利用して、休暇がなくなるまでだけを単独で消化する方法です。この方法だと、休暇がなくなるまで在職することにはなりますが、買い取らずに単独で消化することで休暇を買い取っている場合とほぼ同じ効果をもたらすことができるので利用している人も少なくないはず。

年休が時効に達するまでに退職してしまうならば、上記のような対応で足りるでしょう。

しかし、在職中に時効消滅したときが問題です。退職していないので、単独で年休だけを消化するわけにはいきませんから、どうするかが悩みどころ。

もちろん、時効になるまでに消化してしまうのが一番いいのですが、3日とか4日ぐらいの年休が時効になってしまうことはままあることかもしれません。この場合、そのまま失効にするか、それとも他の手段を用いて活用するのか。判断が分かれるところです。


例えば、時効を2年ではなく、3年や4年に設定する。失効した休暇を買取る。有給の休暇ではなく、無休の休暇として継続して利用出来るようにする。病気や怪我で休む場合に限定して利用出来る休暇として再利用する、などなど。

色々と手段が考えられますね。






■買い上げるにはルールが必要。しかしルールを作ると予約では?



もし、複数の選択肢の中から、「買取る」という選択肢を選んだ場合を今回は想定してみます。

通常、年休を現金化することはできないのですが、時効で失効した年休を買い取ること自体は不可能なことではありません。ただ、できるからといってオススメするわけではなく、出来るだけ年休は時効で失効しないようにするのが良いです。

時効消滅した年休の買い上げといっても、買い上げること自体が稀であって、実際に買い取っている企業はおそらく極少数ではないかと思います。できるからといって、実際に行われているとは限らないのですね。

ただ、もし万一、年休を買い取る場面が発生したとすれば、何らかの基準で買い取る必要があるでしょう。つまり、買い上げるには事前に買い上げのルールを設定したいわけです。在職中に年休が時効により失効する場合で、何日まで買い取りの対象なのか、1日あたりの買い取り単価はいくらなのか、買い取り申請はいつまでに済ませればいいのか、など。事前に決めたいポイントは幾つかあるはず。そこで、就業規則や雇用契約書に時効消滅する年休の買い上げルールを設定したい、と考え始めるかもしれない。

しかし、ルールが必要だとしても、事前に買い取り基準を決めてしまうと不都合なのではないかと疑問を抱くかもしれません。つまり、「事前に年休の買い取りルールを決めてしまうと、いわゆる買い上げ予約になってしまうのでは?」という疑問。

有給休暇を買ってしまうのは39条違反ですし、通達でも禁止されています(昭30.11.30基収4718号)。もし、年休を買い上げることを事前に決めてしまうと、当事者(企業と社員)は買い取りを事前に織り込んで行動してしまい、休暇を利用しにくくなるからです。


しかし、「時効で消滅してしまう年休を買い取るためのルールなのだから、一般的な意味での買い上げの予約ではないでしょう?」という判断もあり得る。確かに、普通に年休を買い取る場合と時効消滅した年休を買い取る場合では状況が違いますよね。後者の場合は法的に差し支えない処理なのだから、それをルール化しても差し支えないと考えるわけです。

一方で、「事前にルールを決めてしまう=買い取り予約」という構図で解釈される可能性もあります。たとえ時効消滅した年休であっても、事前にルール設定することは買い取りの予約だと解釈できるので、ダメだと判断する立場ですね。

買い取るからには何らかの基準が必要。しかし、その基準を設けると物議を醸す。この矛盾する状況を何とか回避しなければいけないわけです。


まず、時効消滅する年休の買い上げルールを事前に設定することは年休の買い上げの予約に該当するのかが問題です。

予約という言葉の意味を考えると、買いあげるかどうかは"未定"なのだから、買い上げ"予約"には当たらないと判断することが可能です。予約とは、将来の一定の時期に契約を成立させることを意味します。つまり、確実に成約することを期待して予約行為が発生するわけですよね。ならば、将来の時点で成約するかどうかが分からない事柄に対して予約という言葉を当てはめるのは間違っているのではないか、と考えるのですね。未定のイベントに対して予約という言葉を当てはめるのは言葉の使い方として間違っているのではないかと判断するのです。この立場では、予約の定義を利用して、年休の買い上げルールを事前に設定することを肯定しています。

また、「処理の内容」と「処理の手続き」で分けて考えることもできるかもしれません。

時効消滅する年休の買い上げは法的に差し支えない"処理内容"なので、事前にルールを整備するという"処理の手続き"も差し支えないと考える立場。内容がOKなのだから、手続きもOKと判断する立場ですね。

一方、確かに時効消滅する年休の買い上げは法的に差し支えないのだが、その手続きを事前に決めてしまうのはダメという立場。内容はOKだが手続きがNGなので、NGと判断する立場ですね。別の説明を用いれば、予め買い取り条件を設定するということは、暗黙裏に買い取りを予約していることと同視することができるので、買い上げ予約に該当するとの主張が可能です。

前者は、内容が良ければ手続きも良いものと推断している。後者は、内容と手続きを別々に検討し、片方がNGであれば全てNGにしてしまう。


上記のどの判断も間違ってはいません。

予約の言葉の意味から判断するアプローチ。内容がOKなのだから、手続きもOKと判断するアプローチ。内容はOKだが手続きがNGなので、NGと判断するアプローチ。

どれも結論として採用されうるものばかりです。







■仕組みにしたくてもできないジレンマ。



時効で失効した年休を買い取るためのルールを事前に設定する問題に対する答えは、客観的に決めかねているのが実情です。時効で失効した年休を買い取るだけならば良いのでしょうが、それをルール化するとなると賛成と反対で分かれてしまう。このような状況だと、基準を作れないので、買い取りを実施したくても思うようにできないはずです。


そこで、失効した年休を買い取らずに、他の手段で対処する企業もあります。

1,無給の休暇に変えて利用出来るようにする。
本来は有給の休暇だったけれども、すでに失効してしまっているので、有給の機能を除いて休暇の部分だけで継続的に利用出来るようにする方法です。この方法だと、有給を無給に変えるだけですのでルールの設計も容易です。なお、上限日数や有効期限は別途で設定する必要があるかもしれませんね。

2,時効消滅した年休は、傷病有給休暇として利用できるようにする。
こちらは、有給休暇としての機能を維持したまま、休暇の利用用途を限定する方法です。通常の有給休暇だと理由を問わずに利用出来るのですが、失効した年休に変わった場合には「機能制限された有給休暇」として継続的に利用できるのですね。また、育児や介護に使途を広げることも検討できるのではないでしょうか。なお、こちらも上限日数や有効期限は別途で設定する必要がありますね。


時効消滅で買取るにはルールが必要だが、事前に買取ルールを決めてしまうと、買取り予約になってしまう懸念があるので、無給休暇や傷病有給休暇として逃がす方法を採用しているわけです。

有給休暇は時効消滅する前に完全消化してしまうのが良いのですが、どうしても残ってしまった場合は上記のような方法で対処することを検討するのも一考ではないかと思います。








今回も、メルマガ【本では読めない労務管理の"ミソ"】を
お読みいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。

労務管理のヒント

http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_2

ニュース

http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_3


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┃本では読めない労務管理の"ミソ"山口社会保険労務士事務所 発行
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃メルマガの配信先アドレスの変更は
http://www.growthwk.com/entry/2008/11/28/122853?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_4

┃メルマガのバックナンバーはこちら
http://www.growthwk.com/entry/2008/07/07/132329?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_5

┃メルマガの配信停止はこちらから
http://www.growthwk.com/entry/2008/06/18/104816?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_6


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*

┃労務管理のヒント
http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_7
┃仕事の現場で起こり得る労務の疑問を題材にしたコラムです。

┃ニュース
http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_8
┃時事ニュースから労務管理に関連するテーマをピックアップし、解説やコメントをしています。

┃メニューがないお店。就業規則が無い会社。
http://www.growthwk.com/entry/2007/11/01/161540?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_9

┃山口社会保険労務士事務所 
http://www.growthwk.com?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_10

┃ブログ
http://blog.ymsro.com/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_11

┃『残業管理のアメと罠』
┃毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、
┃月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、
┃平均して8時間勤務というわけにはいかない。
┃しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、
┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=mailmagazine&utm_medium=cm&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_12

┃電子タイムカード Clockperiod
┃始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計。
┃できれば勤怠集計の作業は随分とラクになるはず。Clockperiodは、
┃出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカードや出勤簿で
┃勤務時間を管理している企業にオススメです。
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_13


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*
┃Copyright(c) 社会保険労務士 山口正博事務所 All rights reserved

┃新規配信のご登録はこちらから
┃(このメールを転送するだけでこのメルマガを紹介できます)
http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_15

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所