book458(始業時と終業時にこそ1分間管理の効果が発揮される)





■バッファ付き1分管理の効用はどれほどか。



勤務時間の管理は、以前は30分単位、その後は15分単位になり、今では1分単位で管理することが望ましいと考えられているフシがあります。

以前から30分単位で勤務時間を管理してきたが、いつからか社会の風向きが変わって、30分ではなく15分単位で管理しなければいけないとなったりしました。最近では、15分単位の管理でも苦言が呈されることもあり、15分単位ではなく1分単位に切り替える企業もあります。

ただ、どういう基準で30分単位の管理がダメになって、どういう基準で15分単位がOKなのかが不明朗でヤキモキするところで、さらには15分単位の管理までダメになってくる雰囲気で、どんな基準でOKとNGの判断をしているのか謎なんですね。おそらく、社会の価値観というか雰囲気というか、世論のようなもので判断している気がします。他には、判例による影響もあるかもしれませんね。

そんなこんなで、1分管理を実施することになった企業があるものの、完全に1分管理で運用している企業がある一方で、そうではない企業もあるかと思います。

原則は1分管理だが、始業時と終業時には例外的に1分管理しない部分を設けたりするところもあります。







■以前は端数であった時間を計上するのが1分管理の目的。



例えば、

「始業の10分前(もしくは5分前とか)から始業時間までは1分単位で管理しない」
「終業時間から10分後(もしくは5分後とか)までは1分単位で管理しない」

というように、ルールの適用を除外するためのバッファを設けて1分管理を運用している企業もあります。

始業の少し前は準備時間であって勤務時間ではないので、勤務時間として計上しないとしているわけです。また、終業時にも、終業時間から少し後までは終業打刻をするまでにゴタゴタするので、その時間を除外しようという意図なのでしょうね。

ただ、1分単位での時間管理は始業時と終業時に効果を発揮する制度で、始業時と終業時に上記のようなバッファを設けてしまうと、1分単位の効用は減退するのではないかとも思えます。つまり、勤務時間の1分管理は、始業時と終業時の端数的時間(2分とか3分程度の時間)を勤務時間に計上するのが目的ですから、始業時や終業時にバッファを作ってしまうと、目的を達成できないのではないかと。

もし、始業時と終業時に5分のバッファを設けるとなると、形式的には1分管理ですが、実質的には5分単位での管理になりますよね。もし10分のバッファならば、形式的には1分管理でも、実質的には10分単位での管理と同じというわけです。


1分管理を採用するならば、始業時と終業時こそ1分単位で管理しなければ、あまり意味のある仕組みではないかと思います。


山口正博 社会保険労務士事務所
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