2010/11/30【勤続年数を定義する】





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食品スーパーなどに行くと、ヤマザキの「ランチパック」という菓子パンが売られている。

タマゴ、ツナ、ピーナッツなど色々な味があるのだが、あの商品を作るときにおそらく発生するであろうパンの耳(要するに余りの部分)はどうしているのだろうか。

四角い型を利用して、2枚のパンを圧着して製造しているのだろうが、その時に余ったパンが発生するはずだ。大きなパンから何枚も型抜きするのかもしれないが、それでも余りが発生するはず。

その余りはどうしているのだろう。捨てているのか、それともパン粉などに再加工しているのか、食べているのか。

気になる。









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■勤続年数を定義する。
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■勤続年数の「勤続」とは何を意味するか。



勤続という言葉を辞書で調べれば、「同じ勤務先に勤め続けること」と定義されている。例えば、勤続14年ならば、同じ勤務先に14年勤務したという意味。

人事評価では、勤続年数という指標が利用されることが多い。月給、賞与、退職金に至るまで、測定しやすい尺度のため、この指標はよく採用されやすい。年功的人事評価をする企業では欠かせない指標とも言える。

ところで、単に勤続年数と表現するときは「同じ勤務先に勤め続けること」と解釈するが、実際には企業ごとに勤続年数の定義が違うようです。

「雇用契約が継続している期間=勤続年数」と考えるところがあれば、「実際に勤務した期間=勤続年数」と考えるところもある。他には、ある期間は勤続年数に含めるが、ある期間は含めないというように、勤続年数に計上する期間を分類しているところもある。

一口に勤続年数といっても、その定義を変えることで、期間が長くなったり短くなったりするわけです。


そこで、今回は、「勤続年数の定義をどうやって設定するか」がテーマになります。






■広い定義と狭い定義。



勤続年数の定義を考えるときには、「何を勤続年数に含めるか」が焦点になります。


ざっと書いてみると、


・雇用契約が継続していた期間(これが最も広い定義)。
・病気で休んでいた期間(休職中)。
・怪我で休んでいた期間(休職中)。
・育児休業の期間は含むのか(育児は期間が限定し易いので、勤続年数にも含めやすい)。
・介護休業の期間は含むのか(ただ、介護は期限が不確かで、際限がなくなるという悩みがある。つまり、どれだけ介護をすれば完了するのかが分からないので、介護休業は勤続年数に含めにくい傾向があります)。
・産前42日、産後56日の期間は勤続年数に含むのかどうか。
・実際に勤務していた期間のみ(これが最も狭い定義)。

、でしょうか。ただ、他にも考慮する対象期間はあるかもしれません。


何を勤続年数に含めるかは、会社ごとに独自に絞りをかけるのが通例で、どこに定義を置くかが判断の分かれどころです。中には勤続年数の定義をしてない企業もありますが、この場合はおそらく最も広い定義、つまり雇用契約が継続していた期間を勤続年数と扱っているのかもしれません。


ちなみに、最も管理が簡単なのは、最も広くするパターン(すべて含む)と最も狭くするパターン(勤務日以外は全て除く)です。この2つの定義だと、個別の判断が不要だからです。この場合は勤続年数に含む、含まないという判断が要りませんので、定義としては最もシンプルです。

一方、上記の2つ以外の中間的な定義に設定した場合、判断する基準が必要になります。この基準の設定がなかなか手強いポイントで、個々の事情を考慮して勤続年数に含む、含まないを判断するため、処理が難しくなります。

もちろん、「キチンと個々の事情に合わせて、対応を変えるのが妥当」と考える人もいるでしょうから、中間的定義を採用するのも一考ではあります。


また、月給、賞与、退職金ですべて同じ勤続年数を使うのかという点も考えるときがあるかもしれません。月給では広い定義を使い、退職金では狭い定義を使うというずいぶんと技巧的な基準を設けるところもあるかもしれませんね。


しかし、管理の煩雑さも考えるべきでしょう。個々の事情に合わせるのも大事でしょうが、個々の事情に合わせないという選択肢もあります。少人数で会社を回しているならば、個々の事情を汲んで対応することも可能ですが、人数が多くなるとより画一的な管理に移行していかないと事務作業に人員を多く配分しないといけなくなるでしょうから、個々の事情に合わせることを徐々に放棄することになるはずです。なお、組織の変化に合わせて管理も変化しているわけですから、「放棄する」ことは悪いわけではありません。






■すべてを勤続年数にカウントしても、ウェートで調整できる。



もし、勤続年数を評価基準に入れていたとしても、そのウェートを変えることで、評価への影響を大きくしたり小さくしたりできるので、あえて勤続年数の定義を厳密にしなくてもいいという判断もありますね。

勤続年数の最も広い定義である「雇用契約が継続していた期間」を採用すると、最も勤続年数は長くなりますが、評価をするときに他の項目よりもウェートを低く設定すれば、評価への影響を小さくすることも可能です。


例えば、全評価ウェートを1として、「成果を0.4、勤続年数を0.3、その他0.2」とした場合と、「成果を0.6、勤続年数を0.1、その他0.3」とした場合では、勤続年数への評価が変わります。もし、勤続年数10年という点では前者後者ともに同じであったとしても、評価段階では前者のほうが後者よりも勤続年数を3倍で評価することになるので、結果として出てくる数字も変わるでしょう。同じ年数であっても、前者はより重く勤続年数を評価し、後者はより軽く勤続年数を評価していますね。

もし勤続年数が長くなったとしても、上記のようにウェートを調整することで、評価への影響をコントロールできるので、あえて勤続年数の定義に時間を割く必要もないのかもしれません。ならば、「勤続年数=雇用関係が継続している期間」というシンプルな定義で済ませることも良い選択かもしれませんね。

この期間は勤続年数に含む、含まないという判断よりも、ウェートのポイントを変える方が容易ですので、「勤続年数の定義をしない」という選択が妥当な線でしょうか。










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