2010/11/27【合意だけの効果はどこまで有効か】



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目覚まし時計では起きにくいけど、携帯電話のアラームだと起きやすいと感じている人は意外と多いのではないか。

アラーム装置という点ではどちらも同じなのだが、なぜか携帯電話の電子音の方が目覚めやすいような気がする。なぜかは分からないけれども。

音の性質が違うのか、普段聞かない音(目覚まし時計だと、音のパターンが数種類しかないはず)だから耳に付くのか、それとも単に気のせいか。

不思議だ。




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■合意だけの効果はどこまで有効か。
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■約束したけど、書面はない。



何か約束するとき、簡単なものだと言葉で済ませることが多い。本を貸し借りするとき、どこかで待ち合わせをするとき、12月中に冬休みの宿題を終わらせるとき。私たちは頻繁ではないにしろ、約束をすることがある。


一方、よりキッチリと履行することを要求する場面では、言葉だけではなく書面で約束の内容を残す。車を購入するときの契約書、携帯電話を利用するときの契約書、住宅ローンを組むときの契約書など。言葉だけで契約して、後から契約内容がねじ曲がってしまうことを防ぐために、重要な契約の場合は書面を作成するはず。

労務管理でも、雇用関係が成立したら雇用契約書を作るところだが、実際には作らずに済ませることも少なくない。これは、小規模な会社や縁故採用された場合に多い。会社も社員も「雇用契約書がなくても大丈夫」と思いやすいのかもしれない。


そこで、本来ならば、書面で約束の内容を担保すべきところ、口頭だけで約束を完結したとき、実際には約束した内容とは違う履行内容だったらどうするかが今回の問題。

コンパクトに言えば、「書面なく合意したけど履行内容が違う」というような場面を想定するといい。

例えば、言っていた給与額と違うとか、週休2日と言っていたが実際には週1日休日のときもあるというパターンがあるでしょう。


この場合、合意内容が優先されるのか、それとも、書面が無いので無効かが分かれ道になる。


以前のメルマガでも書いた、「規定や契約書などの書面と慣習との間の乖離」と同類の問題です。今回は「慣習」が「口頭」に変わったと考えていいでしょう。






■書面の有無だけで判断しない点がキモ。



法律では、「書面に残していないことは認めない」と判断すると思い易いのですが、実際には「書面がなければ一切ダメ」という扱いにしないのがミソです。条文にないことは検討しないのが法律の特徴なので、書面のない雇用契約も検討しないとも考え得るところですが、書面がなくても効果を認めるかどうかを検討するのが実務なのですね。


もし、書面がないからと言って効果をすべて否定してしまうと利便性が損なわれるため、書面のない契約であっても効力を認めようと試みるわけです。

そこで、書面なしでの約束をどの程度有効にするのかが争点になります。書面に残していない以上、「形の無い部分」をどうやって履行するのか。



よく有り得るパターンとしては、

1,雇用契約書がない雇用契約。
2,就業規則がない労務管理。

でしょう。


小規模な会社では履歴書と面接だけで採用が決まり、そのまま仕事を始めることもあるでしょう。そのため、あえて雇用契約書を作成するという作業を挟まずに、サッと採用して、すぐに仕事に取り掛かることを優先するのでしょうね。

確かに、事務手続きが好きな人はあまりいないでしょうし、出来ることなら法律や会計、税務などには関わらずに仕事をしたいと思うのでしょう。また、雇用は必ずしも契約書が必要なわけではありませんし、現に契約書なしで成立している雇用関係も多いです。私も経験がありますが、学生のアルバイトだと契約書を作らないことが多かったですね。特に高校生の頃は、契約書を作って採用された経験がありません。履歴書と面接、その後に電話がかかってきて採用というパターンです。

しかし、書面で表示していない雇用契約は内容を確認するだけでも一手間です。もし、社員さんが雇用契約の内容を再度確認したいと思ったら、契約書がありませんので、人事の担当者に聞かなければいけないわけです。もし、契約書の控えがあれば、それを見れば契約内容は分かります。しかし、契約書がなければもちろん控えもありませんから、その都度担当者に聞くという作業が必要です。たかが契約内容の確認で、わざわざ説明しなければいけない手間を考えると、やはり書面に契約内容を残す方が良いでしょう。


お互いに信頼できる仲ならば、雇用契約書や就業規則を介在させずに労務管理することもできるでしょうが、多くの場合、他人が集まって仕事をするのが組織ですから、信頼だけで管理するというだけではやはり不足です。だからといって、お互いに信頼していないというわけでもないですが。





■書面は境界線。


「他人同士を統率するために法律があり、他人同士を統率するために契約がある」のであって、お互いが理解できるラインを作るために契約書や規定もあるわけです。

もし書面や規定がなかったら、会社も社員もお互いに不要な気を使わなければいけなくなるでしょう。これはどうなのか。この場合はこれでいいのか。分からないから聞いてみようか。けど、聞いたら何か悪いんじゃないか。などなど。


書面を作らない利便性はたしかにあるものの、一方で、作らない不便さもあります。


もし、登記簿謄本がなかったら。
もし、金銭消費貸借契約書がなかったら。
もし、売買契約書がなかったら。
もし、割賦販売契約書がなかったら。
もし、誓約書がなかったら。

書面を作れば、わずかの手間で多くの時間を節約できると想像するのは難しくないはず。

とは言え、契約書や規定を作るにはフォーマットがあるだろうし、我流で作って不備のある書面になったら困るという点は悩みになります。しかし、この点で手を抜くと、後からもっとシンドイ状況に遭遇することもあるかもしれません。もちろん、遭遇しないかもしれない。



また、書面があってもまだ厄介なポイントはある。

1,雇用契約書はあるけれども、実態と合っている部分と合っていない部分がある。

2,雇用契約書はあるけれども、雇用契約書に書いていない取り扱いが行われている。

3,就業規則はあるけれども、実態と合っている部分と合っていない部分がある。

4,就業規則はあるけれども、就業規則に書いていない取り扱いが行われている。

契約書や規定はあるものの、その内容と実際の取り扱いが異なる場合です。

せっかく書面を作っても、その内容通りに労務管理していないとなると、書面なしで管理している状況とさほど変わらない状況になるかもしれません。


決めた内容と実際の取り扱いは、完全にとまではいかなくても(現場で裁量判断することもあるので)、なるべく一致させるのが良いですね。








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