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代休で休日が消えるの? 振替休日との違い

休日消滅?




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代休で休日が消えるの? 振替休日との違い

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振替休日では休日は消えないけど、代休なら消える?

稀にですが、「休日を振り替えれば、後日に休日を設定する必要がある。しかし、代休ならば、休日割増の手当は必要だけれども、後日に休日を設定する必要まではない」という情報が発せられることがあります。インターネットの書き込みだったか、何らかの文字媒体だったかは思い出せないのですが、どこかで読んだ記憶があります。

振替休日は、勤務日と法定休日をスワップする仕組みなので、後日に休日を設定する必要があるのですね。つまり、法定休日を移動させるのが振替休日というわけです。

一方、代休は、休みの日(法定休日)に勤務して、後日に代わりの休みの日を設定する仕組み、、、のはずです。例えば、小学校や中学校の運動会は、だいたい日曜日に開催されることが多いはずですが、日曜日の代わりに月曜日が代休として設定されることがありますよね。つまり、休みの日に仕事や運動会があり休みを取れなかったので、後日に代わりに休みの日を設定するというのが代休のはずです。

ところが、労務管理では「代休ならば、休日割増の手当は必要だけれども、後日に休日を設定する必要まではない」と判断されたりするわけです。

なぜでしょうか。


代休には休日を消してしまうような効果があるのでしょうか。それとも、休日割増手当を支給すれば休日はなくなってしまうのでしょうか。


代休を取るとなぜ休日が消えるの?

まず結論から言えば、振替休日であろうと代休であろうと、法定休日そのものは消えません。

休日を振り替えれば後日に休日を設定する必要がありますし、また、代休も休日勤務の翌日以後に休日を設定する必要があります。

振替休日と代休には決定的な違いというものはなく、「"事前"に振り替えれば振替休日で、割増手当は不要」、「"事後"に振り替えれば代休で、割増手当が必要」という違いでしかないのです。そのため、どの時点までが「事前」で、どの時点からは「事後」なのかが微妙なこともあります。会社側は振替休日と主張しているけれども、社員側は代休と主張したりするわけです。


「代休の場合、割増賃金を支払えば、休日は必ずしも与えなくてもよい」という判断がどこから出てきたのかは分かりませんが、この判断が間違いであるのは確かです。どういう理由で休日を設定しなくても良くなるのかを説明している人がいませんし、説明しようとしても無理があるはずです。「なぜ代休に法定休日を消滅させる効果があるのか」を説明するのは容易ではありません。


ただ、"法定外休日の代休"ならば、「代休の場合、割増賃金を支払えば、休日は必ずしも与えなくてもよい」と判断できる可能性はあります。

通常、代休というと法定休日を対象にした処理になりますが、法定外休日を対象にした処理もできないことはありません。法的には「法定外休日の代休」についてはルールがありませんが、会社ごとに自主的に「法定外休日の代休」を設けることはできるでしょう。

法定外休日は法的に決まった休日ではなく、就業規則や雇用契約による会社と社員間での取り決めですから、当事者でコントロールすることは可能です。

例えば、「法定外休日に出勤したときは、休日割増手当を支給する。しかし、代わりの休日は設けない」というルールがあり得るし、「法定外休日に出勤したときは、休日割増手当は支給しない。なお、後日に代わりの休日は設ける」というルールもあり得る。また、当事者間の合意で法定外休日をなくすこともできる。

しかし、法定休日の場合は、上記のように会社と社員間でコントロールできません。

もちろん、法定休日の日程を変える(振替や代休で可能)ことは可能です。しかし、休日そのものを無くすことや休日割増手当を無くすことまではできないのですね。

 

法定休日は消えないし消せない。

労働基準法35条では、「毎週少くとも1回の休日を与えなければならない」のですから、この点は変えようがありません。

ただ、35条は「法定休日」について書かれたルールですから、法定外の休日の扱いについては触れられていません。そのため、"法定外の休日"を休日割増手当で買取る(手当を支給し、後日の休日は無しという意味)ことは不可能ではないし、会社と社員間の合意で法定外の休日を勤務日に変えることもできるでしょう。

しかし、35条の休日は会社と社員間で合意があっても変更できないのですね。もちろん、振替休日や代休によって法定休日の"予定(週1回)"を変えることは可能です。ただ、消滅させることまではできません。

振替休日であれ、代休であれ、それが法定休日を対象にしているならば、法定休日はどこかで入れ込むことになる。振り替えたら休日はどこかで設定するが、代休ならば休日がなくなることがあるというヘンテコな処理にはならない。

何らかの方法で法定休日が消え去ることなどあり得ないのです。

 

 

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