book451 (1分管理の1歩手前の1分管理)




■完全に1分管理にしない。



以前だと、勤務時間の管理は30分単位でしたが、その後は15分になり、今では1分単位で管理しようと管理方法を変えている企業があります。

確かに、30分単位での管理だと15分や20分の端数が切り捨てられてしまい、正確な勤務時間ではなくなってしまうため、より細かい単位で時間を把握しようという動きが出るのは当然ですね。

ただ、1分管理を採用するものの、始業時と終業時には1分管理の例外処理を可能にし、1分で管理しない会社もあります。

具体的には、10:00始業で17:00終業というスケジュールの場合、10時始業の5分前である9:55から10:00までは1分管理をしないようにし、また、17時終業からその5分後である17:05までは1分管理をしないという処理です。つまり、始業時と就業時に少しだけバッファーを設けているわけです。

なぜ、始業時の前5分間と終業時の後5分間には1分管理をしないのかというと、始業の5分前から始業時刻までは、仕事への準備時間として考えられているため、一種の誤差時間として扱い、1分管理の対象から除外しているのでしょうね。また、終業から5分後までは、仕事が終わって一息つき、終業打刻するまでの誤差時間があるので、1分管理の対象から除外しているわけです。

5分という時間的バッファーを設けて、勤務なのかどうか分からない時間を処理しているのですね。

ただ、5分であっても、その中に業務時間が含まれる可能性はあるわけです。例えば、17時終業であっても、17:04まで仕事をしていて、17:05に終業の打刻をする可能性もあります。また、10時始業であっても、会社に来てすぐに忙しかった場合には、9:56から仕事を開始する可能性もあるでしょうね。

となると、5分のバッファーを設けるのはちょっと不都合であるとも思えます。


しかしながら、誤差時間を始業前5分や終業後5分で吸収するという手段も一理あるので、選択肢から外すのも惜しい。








■やるなら全部1分で管理する。




1分単位で管理すると決めたならば、最初から最後まで1分で管理するのが簡単です。

確かに、始業前5分や終業後5分が便利ですが、5分のバッファーを設けるということは、実質的には勤務時間を5分単位で管理しているのと同じです。

なぜ1分単位で時間を管理するのかというと、始業時と終業時に発生する細かい時間を拾うためなのです。つまり、始業時に勤務時間に計上されない細かい時間(就業時刻よりも数分前の時間)や終業時に発生する細かい時間(就業時刻から数分後までの時間)を切り捨てることなく、勤務時間として計上するために1分単位で時間を管理するわけです。

ゆえに、誤差時間を始業前5分や終業後5分で吸収してしまうと、1分管理の意味が薄れるのですね。

もし、1分単位で管理するならば、最初から最後まで1分で管理するのが良いです。

1分管理しない部分と1分管理する部分を分ける手間を考えれば、分けずに全部計上するほうが手間も時間も少なくて済みます。

山口正博 社会保険労務士事務所
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