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給与の遅延利息を請求?

遅延利息




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■給与の遅延利息を請求?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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支払いが遅れると遅延損害金を請求するのが普通だけれども、、、
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■給与にも遅延利息がある?

通常、給与は毎月一定の時期に支払われます。今月は10日だけど、来月は17日に支払うという会社はほとんどない(絶対に無いとまでは言い切れない)と思います。

雇用契約を締結する段階で、給与については説明され、毎月何日が締め日で、何日が給与支払日なのかをキチンと会社が採用した人に説明します。そして、その説明した通りの日程で、締めて支払いをするわけです。

しかし、会社によっては、給与の支払いを遅らせるところもあるでしょう。特に資金のやりくりが切迫しているというような理由はないけど、単にルーズに給与支払日を設定しているために給与の支払いが遅延しているのかもしれません。他には、キャッシュフローが滞りがちで、出て行く金に入ってくる金が追いつかず、やむを得ず給与の支払いを遅延させているのかもしれない。または、もう会社が倒産寸前で、残務整理をしている状況なので、給与の支払いを送らせているのかもしれません。

理由はいろいろありますが、何らかの理由で会社は給与の支払いを遅らせることがあるのですね。

では、給与の支払いが遅れると、給与に加えていわゆる「遅延損害金」を上乗せして請求できるかという疑問を抱くこともあるかもしれませんね。

本来受け取るべき時期に金を受け取れないのですから、その遅延した期間に対する補償を損害金という名称で請求するわけです。この損害金を給与でも請求できるかが問題となります。







■確かに、遅延損害金を請求できる。

遅延利息や遅延損害金を請求された経験がある人は結構多いのではないでしょうか。

例えば、銀行引き落としやゆうちょ引き落としを利用して定期的な支払いをしている状況で、指定の期日に引き落とし(「振替」と表現する方が正式かもしれない)ができないと、次の引き落としを実行するときに遅延損害金なり遅延利息をあわせて請求されることがあります。

よくあるのは、クレジットカードの引き落しが期日までに完了できなかったときに遅延損害金を請求されるパターン。ちょっとでも引き落とし口座の残額が足りないと、全く引き落としが実行されませんから、ちょっと油断するとこのパターンは起こりがちです。私も経験があり、「あれ?引き落とされていないけど、、、どうなったのかな?」と思ったりすることがある。

クレジット会社によっては、次の引き落としでまとめて処理してくれるところもあるのですが、中には次の引き落としで処理はせず、直ちに銀行から振り込んで支払いをせよと求めるところもある。こうなると、なかなかの手間で、損害金(ごく僅かだけど)は発生するし、銀行振込の作業(意外とネット振込でもメンドクサイ)をしなければいけないし、と気持ちが萎えてしまう状況に立たされる。

他にも、キャッシングの返済、カードローンの返済、住宅ローンやカーローンなどでも遅延損害金はキッチリと請求されるはずです。ちなみに、金利は14.6%に設定しているところがほとんど。


では、給与の支払いが遅延したら、遅延損害金はキッチリを請求されているかというと、ほとんど請求されていないでしょう。本当は請求できると知っているけれども、額が少ないし、わざわざとも感じる人が多いはず。

損害金を請求できることを知らない人もいるかもしれませんが、クレジットカードや各種のローンと同じように、給与の支払いが遅れても損害金を請求することは可能です。ただ、金利は14.6%ではなく、6%です。







■わずか6%の損害金を取る試みは徒労に終わるだけ。

しかし、請求できるからといって、請求するかというと、必ずしもそうではないのが現実。

まず、毎月の給与の支払いが遅延したとして、損害金を請求しても、遅延している給与を年率6%で計算した額しか請求できませんから、あえて請求する作業をしない人もいるのではないでしょうか。年率6%で、さらに日割りで計算しますから、本当に損害金の額はわずかです。その僅かな金を請求するために、あれこれと手を出すのはかえってソンではないかと私は思います。

他にも、専門家を使ったり、行政窓口に行くという方法もあるのですが、請求する額が小さいので、いわゆる「費用倒れ」をしてしまうでしょう。数千円の損害金を取るために、数万円の費用を投じることは有り得ません。

自分で請求するという方法もありますが、請求して会社が支払うか分かりませんし、キチンとした手続きの方法を調べなければいけませんから、時間も必要です。


そのため、遅延損害金を請求せず、早く給与を払ってもらうように会社に求めた方が賢明です。「遅延損害金まで請求されてしまうのか、、」と経営者に思わせてしまうと、支払う意思を減退させるかもしれませんから、給与だけを請求するのが良い選択です。



給与の支払いが遅延しているならば、「労災から立替払いをしてもらえるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、労災の立替払いは会社が倒産(法律的な倒産もしくは事実上の倒産)しないと実行されません。ゆえに、会社が事業を継続している状況で、給与の支払いが遅延したとしても、立替払いはされないのですね。


他にも、民法上の雇用関係の先取特権(308条)がありますが、これも事業を継続している状況で使う法律ではないでしょう。先取りが問題になるのは、他の担保権者(銀行など)が債務者である会社の資産で債権を満足させようとする目的でやってきたときです。平時に先取特権を行使することは無い、もしくは稀ではないでしょうか。


ゆえに、遅延した給与に対して損害金を請求するとすれば、社員自身で請求することになります。しかし、請求額が僅かですし、損害金の支払いが実行されるかも不確かで、手続きを調べる時間も必要です。そのため、損害金を請求することは諦めるのが賢明です。

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
『残業管理のアメと罠』

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