book400(雇用保険の育児給付が1本化された)





■雇用保険の育児関連給付が便利になった。


雇用保険には、失業手当以外にも給付があります。

その1つとして、育児関連の給付があります。

具体的には、「育児休業基本給付金」と「育児休業者職場復帰給付金」の2つです。


「雇用保険は失業のときだけしか使えない」という思い込みをしていると、使わずに過ごしてしまう制度ではないでしょうか。

雇用保険には失業手当以外にもメニューがあるのですね。


雇用保険の育児給付である「育児休業基本給付金」と「育児休業者職場復帰給付金」は、22年4月1日から変わり、「育児休業給付」として1本化されました。

従来は、「育児休業基本給付金(勤務していたときの給与の30%を毎月支給。なお、上限がある)」と「育児休業者職場復帰給付金(勤務していたときの給与の20%を支給)」という2本立てであり、育児休業中は「育児休業基本給付金」を受け取り、元の職場に戻ったときに「育児休業者職場復帰給付金」を受け取っていたのですね。

そのため、手続きも2回必要だったわけです。

そこで、22年4月1日から変わり、「育児休業給付」という1つのメニューに絞られました。

「育児休業給付」は育児休業中に支給され、勤務していたときの給与の50%を受け取ります(30%+20%なので、50%というわけです)。また、職場復帰したときの給付はなくなりました。

なお、上記の内容は、22年4月1日から育児休業を始める人が対象ですので、22年3月31日以前に育児休業を始めた人は、今後も、「育児休業基本給付金」と「育児休業者職場復帰給付金」の2つのメニューを利用できます(従前の状態を保護しているのですね)。






■なぜ1本化したのか。



では、なぜ育児関連の給付を1本化したのでしょうか。

メニューを1つにすれば手続きが1回で済むので便利だ、という理由は確かにあるでしょうね。

利便性が高まるという理由はおそらく最大の理由だろうと思います。


ただ、育児給付を1つにしたのは、「育児休業を終えた後に退職する人が多い」という理由もあるのではないでしょうか。

育児休業を終えた後に退職してしまうと、育児休業者職場復帰給付金が支給されませんので、本来ならば受け取ることができた給付を受け取らずに退職してしまう人が多かったのかもしれません。

そのため、育児休業中に全ての給付を支給するという仕組みに変えたとも考えれます。


育児休業が終わると退職するということを想定して、育児関連の給付を1本化したのかもしれませんね。

ただ、制度を設計した人の考えは分かりませんので、純粋に利便性を高める目的だったのかもしれません。


しかし、理由は何であれ、良い改正であることは確かです。


山口正博 社会保険労務士事務所
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