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支払った雇用保険料を回収する手段。教育訓練給付を使っても失業手当は減らない。

雇用保険

 

失業以外で雇用保険を使うと失業手当が減ってしまうのですか?

ご存知のように、雇用保険は失業に備える制度です。
 
雇用保険に加入していると、解雇や自己退職のときに失業手当(雇用保険の「基本手当」とも言う)を受け取れるのですね。

失業手当は、今まで雇用保険に加入していた期間を勘案して、支給日数を決めるものですから、なるべく長い期間にわたって雇用保険に加入していると、受け取り額も多くなるわけです。


ところで、雇用保険は失業手当を支給するだけの制度ではなく、失業以外でも給付が行われることがあります。

例えば、雇用保険の教育訓練給付は、失業していなくても、在職中に資格学校へ給付金を使いながら通うことができる制度です。なお、教育訓練給付は失業後1年以内だと、失業中でも利用することができますね。

ただ、在職中に教育訓練給付制度を使うと、「失業したときに失業手当が減ってしまうのでは?」と思う方もいるかもしれませんね。

確かに、失業手当と同じように、教育訓練給付も「雇用保険に加入していた期間」を利用して給付が実行されるものですから、在職中に教育訓練給付を使ってしまうと、これまで貯めた「雇用保険に加入していた期間」がゼロになってしまうのではと思うのでしょうね。


 

「期間」にも違いがある。

「雇用保険に加入していた期間」といっても、ちょっとした違いがあります。

まず、失業手当で使う期間は、「被保険者期間」というものです。

一方、教育訓練給付で使う期間は、「支給要件期間」というものです。支給要件期間が3年以上あれば教育訓練給付を使うことができます(なお、初めて教育訓練給付を使うときは、支給要件期間1年で給付を利用できます)。

そして、「被保険者期間」と「支給要件期間」はお互いに別のものなのですね。

両方とも同じ「期間」という表現を使っているので、どちらも同じものだろうと思ってしまうのでしょうね。

例えば、雇用保険に5年加入していれば、被保険者期間は5年ですね。さらに、この5年間で教育訓練給付制度を使ったことが無いという前提を置けば、支給要件期間も5年です。

そこで、この段階で教育訓練給付制度を使うと、支給要件期間はゼロになります。

しかしながら、被保険者期間は5年のままです。

つまり、支給要件期間がリセットされても、被保険者期間には影響しないのですね。

ゆえに、在職中に教育訓練給付を使っても、失業手当は減らないと結論できるのです。


なお、さらに3年にわたって雇用保険に加入していれば、被保険者期間は8年、支給要件期間は3年になり、また教育訓練給付を利用できるという流れです。

支給要件期間と被保険者期間は違うものとして扱うので、教育訓練給付を使うと支給要件期間はリセットされるけれども、被保険者期間はそのまま貯まっていくのですね。

 

 

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