2009/12/15【時間単位有給休暇は5日分まで?】





┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■┃  メールマガジン 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所 http://www.growthwk.com?ml0912181213
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/12/15号 no.150)━



降水確率20%だったら、人はどう判断するのか。


先週12月12日の土曜日、降水確率20%だったので、傘を持たずに外出したところ、しっかりと雨が降った。

私の価値判断では、降水確率20%というのは、傘は不要と判断するのです。

20%ですからねぇ、、、降らないだろうとタカを括るのが普通の人ではないだろうか。


「折り畳み傘を持っていけば?」などという模範解答もあろうが、私は20%だったら傘は持っていかない。降らないのが当然だと思ってしまうので。


中でも「降水確率50%」などというのは特に困ります。

こりゃあ、もはや予報の意味が無い。








■時間単位有給休暇は5日分まで?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
計画有給と時間有給を同じにする必要は無い。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





■時間単位有給休暇を5日分までにした意図は何か。



ご存知のように、来年の平成22年4月から改正された労働基準法が運用されます。

改正では時間外勤務に関する変更が中心ですが、時間単位の有給休暇についても決められていますよね。

通常、有給休暇は、1日単位もしくは半日単位で利用されるものだと思いますが、時間割りで休暇を使うことを公式に認めようというのが今回の改正です。

ただ、時間単位で休暇を使うには条件があるようで、「1年に5日分が限度」とのこと。

これだけを知ると、「ふ~ん、5日分までなんだ、、、」と思ってしまいますよね。


しかし、何か腑に落ちない感じがします。


制度を設計した人達はなぜ5日分までに制約したのでしょうか。

あえて制約する必要があったのでしょうか。


計画付与の有給休暇(労働基準法39条5項)には確かに制約がありますね。

しかしながら、時間単位の有給休暇にも制約を課す必要があるのでしょうか。



そこで、「時間単位の有給休暇を1年で5日分までに制約する必要があるのかどうか」という点が今回のテーマです。









■「計画付与の有給休暇」と「時間単位の有給休暇」はお互いに別物。



私は、時間単位有給休暇と計画有給休暇を同列に扱わなくても良いのではないかと考えています。

なぜならば、計画有給休暇は「会社の強制による休暇」ですが、時間単位有給休暇は会社の強制によるものではなく「社員さんの判断による休暇」だからです。


なぜ、計画付与の有給休暇が労働基準法39条5項で制約されているのかを考えると、会社の強制が働くからです。

「5日を超える部分の休暇については会社の判断で休暇を与えることができる」というのが計画付与の有給休暇ですよね。

つまり、5日を超える休暇について社員さんはコントロールできないのです。

会社の強制力を伴った休暇だから、法律でルールを作ろうというのが労働基準法39条5項の趣旨なのですね。


では、時間単位の有給休暇だと、上記のような会社の強制力が働くでしょうか。

私は働かないと思います。


なぜならば、時間単位の有給休暇は「メニューの1つとして用意されるにとどまる」からです。

つまり、たとえ時間単位有給休暇を採用することになったとしても、1日単位また半日単位で休暇を利用できる選択肢は残すはずです。「1日単位、半日単位、時間単位」という3つのメニューを社員さんに提示して、社員さんがその中から選ぶという運用方法を大半の会社では採用するのではないでしょうか。

「有給休暇は全て時間単位で利用すること」などと決める会社は無いはずです。

ゆえに、社員さんが休暇のメニューを選択できるならば、会社の強制もないのですから、あえて法律で制約することもないのですね。



計画は強制だけれども、時間単位で休暇を使うかどうかは任意で選択できるから、計画有給と時間有給を似たような視点で制約しなくても良いのではないかと思うのです。


公的には1年に5日以内でと決めるが、労使協定で独自に定めれば、1年に5日を超えて時間単位で有給休暇を使えるようにした方が都合が良いと私は思います。

計画有給のように強制を伴わないのですから、もうすこし会社の自主性を認めても良いのではないでしょうか。

任意のメニューとして用意するにとどまるものだから、無制限で時間単位で休暇を使えるようにしても差し支えがあるものではありませんよね。もし時間単位で休暇を使うのが嫌ならば、1日単位で使えば良いのですから。









■代替休暇と時間単位有給休暇はセットで採用しなければいけない。



改正労働基準法には、「代替休暇」という仕組みも用意されますね。

代替休暇とは、「50%に引き上げられた割増部分」と「従前の割増部分」との差分に対して、手当を支給するのではなく休暇で支給することも可能になるという仕組みです。

ただ、ここで気になるのが、代替休暇は時間単位で処理しなければいけないという点です。

例えば、50%割増の対象になる時間が1ヶ月に3時間あったとして、その3時間分を休暇で与えようとすると、どうしても時間単位の有給休暇が必要です。

つまり、代替休暇の仕組みを有効に機能させようと思えば、時間単位の有給休暇も一緒に採用しなければ、代替休暇自体が使えなくなります。


もし、代替休暇を採用すると決めたならば、代替休暇と時間単位有給休暇はセットで採用しないとうまく回らないでしょうね。

別の側面から言えば、「時間単位有給休暇を採用しないならば、代替休暇も採用しない」という流れになります。ここでは逆は真ではないです。代替休暇には時間単位有給休暇が必要ですが、時間単位有給休暇は代替休暇がなくても単独で採用できますからね。


しつこいですが、60時間を超えた時間外勤務を代替休暇で処理したいと考えると、必然的に代替休暇は時間単位で捌かなければいけなくなります。そうなると、どうしても時間単位で有給休暇を使える仕組みが必要になりますよね。

にもかかわらず、改正労働基準法では、時間単位の有給休暇に上限日数を設けているわけです。

1年に5日分だけの時間単位有給休暇で代替休暇を捌ききれるのでしょうか。

1日を8時間と計算すると、5日で40時間です。つまり、1年で使える枠は40時間ですから、この枠内で代替休暇を処理しないといけないわけです。

ちょっと無理があると感じませんか?

もしかすると、代替休暇だけで40時間の枠を使い切ってしまい、社員さんが自主的に時間単位で有給休暇を使う余地がなくなるのではないかと私は思うのです。

考え方を変えれば、代替休暇が貯まって、ある程度のロットになってから、時間単位ではなく1日単位で休暇を取れば大丈夫とも考えることが可能なのですけれども、なんだかぎこちないですよね。



どうしても時間単位有給休暇が1年に5日分までとされてしまうのだったら、代替休暇を設けない方が良いのではないでしょうか。

時間有給の日数に限度があるとなると、代替休暇を時間単位有給休暇で逃がすことが難しくなりますからね。


やはり時間単位の有給休暇には日数の限度を設けない方が良いだろうと私は思います。









┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記  ★☆━━━━━━━━━┓




書籍や食べ物で、よく「○○監修」というフレーズが書かれていることがある。

有名なシェフが監修した焼きそばとかケーキ、花田 勝氏(若乃花)が監修したチャンコ、どこかの有名人が監修した書籍、、、などなど。

お笑い芸人のイラストが書かれた菓子パンとか、華麗なるカレーパンとか、「あんどーなつ 」というドラマとタイアップしたアンドーナツとか、探せば見つかります。



このように監修(監修に近似したものを含む)という言葉を良く目にするのですけれども、これは「名義貸し」とは違うのですかね。

監修者は、レシピを提供したり、内容をチェックしたりするのでしょうけれども、商品に対してさほどコミットはしていないのではないかと思うのです。

となると、"虎の威を借る狐"ではないのですが、「監修=名義貸し」と思えてきたりするのです。


もちろん、世間的には、監修と名義貸しは全く違うものなのでしょうけれども、何となく雰囲気が共通しているような気がするんです。


いろいろと「大人の事情」があるのでしょうね。







┗━━```☆....━━━━━━━━━━━━━━━```☆....━━━━━┛


今回も、メルマガ【本では読めない労務管理の「ミソ」】を
お読みいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。

労務管理のヒント

http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_2

ニュース

http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_3


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┃本では読めない労務管理の"ミソ"山口社会保険労務士事務所 発行
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃メルマガの配信先アドレスの変更は
http://www.growthwk.com/entry/2008/11/28/122853?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_4

┃メルマガのバックナンバーはこちら
http://www.growthwk.com/entry/2008/07/07/132329?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_5

┃メルマガの配信停止はこちらから
http://www.growthwk.com/entry/2008/06/18/104816?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_6


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*

┃労務管理のヒント
http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_7
┃仕事の現場で起こり得る労務の疑問を題材にしたコラムです。

┃ニュース
http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_8
┃時事ニュースから労務管理に関連するテーマをピックアップし、解説やコメントをしています。

┃メニューがないお店。就業規則が無い会社。
http://www.growthwk.com/entry/2007/11/01/161540?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_9

┃山口社会保険労務士事務所 
http://www.growthwk.com?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_10

┃ブログ
http://blog.ymsro.com/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_11

┃『残業管理のアメと罠』
┃毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、
┃月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、
┃平均して8時間勤務というわけにはいかない。
┃しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、
┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=mailmagazine&utm_medium=cm&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_12

┃電子タイムカード Clockperiod
┃始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計。
┃できれば勤怠集計の作業は随分とラクになるはず。Clockperiodは、
┃出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカードや出勤簿で
┃勤務時間を管理している企業にオススメです。
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_13


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*
┃Copyright(c) 社会保険労務士 山口正博事務所 All rights reserved

┃新規配信のご登録はこちらから
┃(このメールを転送するだけでこのメルマガを紹介できます)
http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_15

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所