2009/12/8【契約と実態を乖離させない】





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価格.comは逆オークションのサイトだと最近になって思いました。

通常のオークションだと、買い手が少しずつ価格を上げていくのですが、価格.comはその逆を言っています。

つまり、買い手ではなく「売り手」が価格を上げるのではなく「下げていく」という構図です。

通常のオークションと逆ですよね。


家電商品の価格変動履歴というページを見ていて気づいたことです。






■契約と実態を乖離させない◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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契約は約束と同じ。
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■週5日勤務で契約して週3日の勤務する意図。



通常、雇用契約で週5日勤務として契約すると、その契約通りに週5日で仕事をしますよね。

また、休日は土曜日と日曜日として契約していれば、土曜日と日曜日は休みになるわけです(もちろん、休日勤務等は別途であるかもしれません)。

ところが、週5日で契約しているにもかかわらず、実際は週3日しか働いていない人などもいるのではないでしょうか。

雇用契約の中身を個別に決めていくのは面倒だからといって、すべての社員さんと週5日勤務の契約をして、実際は社員さん各自で勤務スケジュールはバラバラだったりする会社もあるかもしれませんね。

確かに、仕事は「ノーワーク・ノーペイ」が原則ですから、雇用契約の内容がどのようなものであれ、実際に勤務した分に対して報酬を払えばそれで足りると思うのも分からないでもありません。

しかし、週5日で契約して週3日しか働かないという状態を作ってしまうと、不都合なことが起こるのですね。


例えば、週5日で契約して週3日の勤務だから、出勤率は80%未満になります(3/5=0.6 60%)ので、有給休暇がゼロになってしまいます。週3日で契約して週3日で仕事をしていれば、比例付与で休暇はありますが、週5日契約で週3日契約だと休暇がなくなってしまうのですね。

同じ週3日で勤務しているにもかかわらず、休暇がゼロの人と休暇がある人が分かれてしまいます。

これは困りますよね。



また、さらに気にかかるのは、「週5日で雇用契約を締結して、実際の勤務は週3日にすれば有給休暇はゼロにできるぞ」と考えて雇用契約を締結している会社があるのかもしれないということです。


確かに、週5日契約で週3日勤務ならば法的には休暇はゼロになります。これは事実です。

しかしながら、どう考えても"あくどい考え方"ですよね。合法の体裁を利用して休暇をゼロにしてしまうわけですから、悪代官並です。

まさかこのようなことを意図的に行っている会社はないと思いたいですけれども、ふと考えついたので書いてみました。








■意図的に出勤率を80%未満に。



もし、意図的に週5日契約・週3日勤務の形を作り、出勤率を80%未満に誘導し、有給休暇を取得できないようにする確信犯的なスキームを会社が使ったとすると、それにどう対処するかがキモになります。


「相手のために労務に服し、これに対して相手方が報酬を支払う」のが雇用契約ですので、
労務と報酬を交換することがその内容です。

ならば、会社が雇用契約通りに内容を履行しないならば、社員さんは働かないという手段もアリです。

ただ、単に「働かない」という対処だと、会社を辞めなければいけないかもしれませんから、簡単には使いにくい手段です。



他の方法としては、休業手当を求めることも可能です。

週5日契約にも拘らず週3日の勤務なのだから、残りの2日分は休業として扱うことができますから、その分の手当を会社が支払うという流れもあります。

ただ、意図的に週5日契約・週3日勤務の形を作っている会社が休業手当をわざわざ払うことはないでしょう。自らが負担になることを会社が行うことはないはず。


ここでのポイントは、「働かない」ことではないですし、「休業手当を支払ってもらう」ことでもなく、「雇用契約を修正して実態に合わせてもらう」ことです。

雇用契約を修正させるために、社員さんの側から「働かない」とか「休業手当を支払って」と申し立てて、会社を動かすと良いのですね。


それでも会社が動かなければ、労働局もしは監督署に行って、「会社が意図的に週5日契約・週3日勤務の形を作り、出勤率を80%未満に誘導し、有給休暇を取得できないようにしている」ことを報告すれば良いかと思います。








■契約内容と実態はキチンと合わせる。



雇用契約は形だけの契約ではありません。

雇用契約と実際の勤務実態はコピーのように一致しているべきであって、ズレてはいけません。



例えば、物の売り買いで、300万円で売ると言っておきながら、土壇場で500万円で売るなどと言えば、買い手から反発されますよね。

卸しと小売りのやり取りで、「(卸し)いいタラバが入ったんだよ。400kgの300万円でどう?」「(小売り)よし300万円でタラバガニを仕入れよう」と取引が成立したとする。

(ちなみに、kg単位でタラバガニを売買するかどうかは漁業関係者ではない私には分かりませんので、上記は仮定です)


その後、卸しの気が変わって、「(卸し)やっぱり400kgの500万円で売るよ」などと言ったら、小売りの人は怒るでしょう。「(小売り)約束と違うだろう」と。


雇用契約も売買契約と同じ"契約"であって、また"約束"でもあります。

約束したら約束した通りに実行しないと、相手からの信頼をなくしてしまいます。

ゆえに、雇用契約と雇用実態を合わせることは、400kgの300万円でタラバを売ると約束したらその通りに売ることと同じなのですね。週5日で契約したならば、週5日で勤務できるようにしないといけないわけです。




ただ、そうは言っても、「どうしても不定期に勤務せざるを得ない人はどうするの?」という疑問は残ります。

例えば、今週は週3日勤務だけれども、来週は週6日勤務、その来週は週4日などという働き方をする人もいるわけです。

この場合は、会社が狙って雇用契約を締結しているわけではなく、仕事の都合上どうしても不定期にならざる得ないという理由があるからですよね。

それゆえ、週5日勤務で契約しているけれども、月によっては出勤率80%をやむを得ず下回ってしまうこともあるかもしれませんね。この点を会社の責任にするというのも酷ですから、何とかしなければいけないわけです。


そこで、週の平均勤務日数を取って比例付与で休暇を付与するというのもアリです。

通常の運用方法では休暇がなくなってしまうところを、比例付与の仕組みを変形させて組み込むわけです。


通常、比例付与の休暇は、週4日から週1日で契約している人のための仕組みですから、週5日契約の人にあてはめることを想定していません。

ただ、社員さんに有利になるように仕組みを利用するには差し支えないですから、上記のような「週5日勤務で契約しているけれども、月によっては出勤率80%をやむを得ず下回ってしまう」人をフォローするために比例付与の仕組みを利用することも検討できます。


例えば、1ヶ月が4週間だと仮定して、1週目は週3日、2週目は週6日、3週目は週2日、4週目は週4日だとすると、15日/4週=3.75(日/週)ですので、週3.75日の勤務と計算し、比例付与の休暇を付与すれば良いのではないかと思います。端数は四捨五入でも良いでしょうね。


なお、上記の計算で週4日以上になれば、出勤率は80%以上になりますから、通常の日数の休暇を付与してください。










┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記  ★☆━━━━━━━━━┓


カレンダーをたくさん頂く時期ですが、新しいカレンダーは12月から始まると親切だと思いました。

いくつかのカレンダーを見ていると、大概のものは来年1月始まりなのですが、1つだけ今年の12月始まりのカレンダーがありました。

ここで、これは親切だなと感じたのですね。

1月からだと、どのカレンダーを貼付けるかという競争になってしまうので、今年の12月から始まるカレンダーにしてしまえば、すぐにでも貼ってもらえるという算段のようです。


こういう工夫が私は好きです。






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