book330(検査を受ければ就業できる)




■検査や診断を拒む人。


会社によっては、就業にあたって診断や検査を受ける必要があるところがありますよね。

定期の健康診断は義務なのですけれども、それ以外の検査や診断はその会社や組織によって扱いが変わります。


例えば、身体検査を受けることが就業の条件として設定している会社だと、検査を拒むと就業できなかったりします。

他にも、飲食店だと検便検査がありますね。また、スーパーのお惣菜コーナーで働く人も検便検査があります。


そこで、もし何らかの理由で各種の検査を拒否したとき、就業を禁止することはできるのかどうかが今回の疑問点です。


検査を拒んだ程度で就業できなくなるのか、それとも、検査を拒む程度では就業を禁止することはできないのか。







■「検査の必要性」と「検査を拒否する立場」の拮抗。



食べ物を扱う場所で働く人になぜ検査をするのかというと、事故が起こらないようにするためなのでしょう。

もし、飲食店で食中毒を起こすと、一定期間にわたって営業を停止しないといけませんから、就業する前に検便検査をするわけです。

それゆえ、検査を拒んだ人を就業させないのは合理的なことなのです。


ただ、「就業させない」となると「休業になるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この場合は休業になりません。

なぜならば、検査を拒んだが故に就業できないのですから、休業ではないのですね。

もし休業として扱うならば、「使用者の責任で就業できない状況」でないと休業手当の条件を満たせなません。


ところが、検査を拒んで就業できないのは社員さんの責任ですから、休業にならず欠勤になるわけです。


また、検査は仕事をするために不可欠なことですから、検査を受けなければ就業できないとしたとしても、不当と言えるほどの制約ではありません。


ゆえに、「社員さん自身の理由で検査を拒否したとき、会社は就業を禁止することができる」と結論できるのです。

山口正博 社会保険労務士事務所
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