book327(改正労基法の代替休暇は二重の負担に)




■代替休暇を選択する利点は何?



改正労働基準法には、代替休暇という制度があります。

月60時間を超える時間外の勤務に対しては、50%の割増手当を用意するのが原則なのですが、50%の割増手当の代わりに休暇を充当することも可能ですよね。これが代替休暇。

代替休暇を利用するときは、50%の割増手当ではなく、25%分の割増手当を用意して、残りの25ポイント分を有給の休暇で処理します(なお、時間外勤務手当の支給率は25%と仮定)。


ここで思うのは、代替休暇を使わずに手当だけで対応すれば、25ポイント分の上乗せ(25%(基本部分)+25%(上乗せ部分))だけで足りたものを、代替休暇を使うと、25ポイント分を有給休暇にしないといけないわけです。

有給休暇というのは「休暇+給与」で構成される休暇ですから、代替休暇を選択することで「25ポイント分の休暇と25ポイント分の給与」が支給されるのですね。

これは社員さんにはLuckyですが、会社はどう思うのでしょうか。






■手当は"手当"だけ、休暇は"手当+休暇"に。


私は、「あえて代替休暇を用意することもないよな」と会社は判断するのではないかと思うのです。


手当だけならば「給与(25%の割増手当)」だけですが、代替休暇だと「休み+給与(有給休暇)」になるのですから、会社が後者の選択肢を避けるかもしれませんよね。


代替休暇は会社に二重の負担になるとすると、あえて代替休暇を採用する企業があるのかどうかが疑問なのです。

もちろん、休暇が増えた方が会社にとっても社員さんにとっても都合が良いならば、代替休暇は良い選択肢でしょうね。


ただ、「50%割増だけの場合」と「25%割増+25%分の有給休暇」とを比べると、両者は等価ではないと考える人もいるかもしれません。


改正労働基準法で代替休暇を設けた趣旨は、「長い時間にわたって勤務しているので、手当だけでなく休暇も取れるようにした方が良いだろう」という点にあるのかもしれませんが、会社が上記のような判断をすることも有り得るのではないかと私は思うのです。




山口正博 社会保険労務士事務所
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