book325(時間単位の有給休暇は義務?)




■必ず設けるのか、それとも、任意で設けるのか。



平成22年4月から労働基準法が変わりますが、変更点の1つに時間単位の有給休暇がありますよね。

従来だと、有給休暇は1日単位もしくは半日単位で利用していましたが、改正された労働基準法では、時間単位で休暇を使うことが可能なのです。


ただ、時間単位で休暇が使えるように改正されるとなると、「えっ? じゃあ当社も時間単位で休暇を利用できるようにしなければいけないのか?」と考える方もいるかもしれません。

法律が変わったのだから、メニューとして用意しなければいけないと思うのでしょうね。


しかし、「メニューとして用意しなければいけない」ところまで及ぶのでしょうか。

つまり、義務的に時間単位の休暇を使えるようにしなければいけないのか、それとも、義務ではないけれども任意的にメニューを設けることができるという程度なのでしょうか。


どちらでしょう。







■任意のメニュー。


時間単位の有給休暇をどうやって運用するかは、労使協定で決めます(改正労働基準法39条4項)。

協定で、「時間単位の休暇を利用できる労働者の範囲」と「時間単位で付与できる休暇の日数」を決めます。


ここで気に留める点は、「労使協定で時間単位の休暇の内容を決めている」という部分です。

つまり、労働基準法の条文で時間単位の休暇を運用するのではなく、会社ごとの労使協定で運用するわけです。

それゆえ、必ずしも労使協定を締結する必要はなく、また、労使協定を締結する必要がないということは、時間単位の休暇をメニューとして用意する義務もないと考えるのです。

時間単位休暇は任意で採用するかどうかを決めることができるのですね。


育児や介護を行う社員さんに限定して時間単位休暇を設けることも可能ですし、家事を担当する社員さんに限定して時間単位休暇を設けることも可能ですので、全社員を対象にするのではなく、対象者を絞って時間単位休暇を運用するのが良いのかもしれません。



山口正博 社会保険労務士事務所
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