book329(労働基準法の対象者は3つに分ける)






■使用者と管理職と一般社員。


労働基準法は、労働者のためのルールであり、別名「労働者保護法」と呼ばれることもあります。

労働基準法で登場する主体は、大きく3つに分けると「使用者、管理監督者、一般社員」ですよね。


使用者は、例えば社長のように事業の経営を担当する人のことを意味します。また、管理監督者は、経営者と同視できるような立場で働いている人のことを意味します。さらに、一般社員は、上記二者以外の人達のことを意味します。

労働基準法は、上記の三者の間で有効範囲が変わります。


「使用者にとっての労働基準法」、「管理監督者にとっての労働基準法」、「一般社員にとっての労働基準法」では、それぞれ捉え方が変わるのですね。







■管理職のような一般社員、使用者のような一般社員。



労働基準法は労働者専用の法律ですから、使用者には使えません、そのため、社長には勤務時間の制限がないですし、各種の割増手当もないです。また、法定の休日もないですし、深夜勤務もない(法的には)です。

他方、管理監督者だと、労働基準法を使えますが、一部だけ使えない部分があります。労働時間の制約、休憩のルール、休日のルールの三点については管理監督者にはあてはめないのですね。

また他方、一般社員だと、労働基準法の全てを使うことが可能です。


労働基準法的な立場を図示すると、「使用者<管理監督者<一般社員」という関係になります。


ただ、上記のようにキチンと3つに分けることをせずに、ファジーな状態で運用している会社もあるのでしょうね。

例えば、「管理職のような一般社員」とか「使用者のような一般社員」です。

名刺には「取締役」という名称が書かれているものの、一般社員と同じ働き方をしている人もいるかもしれません。常務なのに一般社員と同じとか、専務なのに一般社員と同じなどということもあるかもしれませんね。

中小企業で働く社員さんだと、上記のような「肩書きだけ役員」という人もいるはずです。


極端な場合だと、社長なのに一般社員と同じという状況も有り得ます。社長の上に会長がいて、その会長だけが使用者という状況ですね。

社長として扱われてしまうと、管理監督者ではなく使用者になりますから、実質は一般社員
なのに労働基準法が適用されない状況ができてしまうかもしれません。



労働基準法では、滅多なことでは使用者になれないですし、管理監督者にもなれないです。使用者と管理監督者にあてはまるための条件がありますから、その条件にはまらないと全て一般社員になってしまいます。


使用者、管理監督者、一般社員の区分はキチンとして欲しいですね。



山口正博 社会保険労務士事務所
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