book323(日本で就職しても本国に転籍させられる外国人留学生)




■日本で働きたい留学生がいる。



今では、どこの大学でも海外からの留学生が少なからずいるのではないでしょうか。

中国や韓国、インド、ヨーロッパやアメリカなど色々な地域から日本に留学してきていますね。

また、日本に留学している人は、そのまま日本に残って仕事をしたいと考えている人も多いのですね。つまり、日本の大学を卒業した後に、日本国内の企業に就職したいというわけです。


ただ、企業に入社してしばらくの後に、その留学生を本国のグループ企業へ転籍(現在の会社を退社して、新しく入社するということ)させるという話も聞くのです。

例えば、中国からの留学生ならば、中国にある日本のグループ企業へ転籍させるとか、インドからの留学生ならば、インドにある日本のグループ企業へ転籍させるというものです。

本人は日本で働きたいと思っているものの、会社の判断で転籍されてしまうわけです。







■採用は日本、仕事は本国??



海外の留学生が転籍させられるということを聞くと、私は、「人材採用は日本で行い、仕事は中国や海外で行ってもらえれば、会社の費用負担も少なく都合が良い」と企業が考えているのではないかと思うのです。

現地の人を採用すると現地の言葉を使わなければいけないが、日本で採用した留学生ならば日本語が使えるので、日本で働いてもらうよりも海外に行ってもらう方が良いだろうと判断するのでしょうね。


賃金の高さもあって日本で働きたいと思う面もあるでしょうから、留学生本人はなるべく日本に残って働くことを希望しているはずです。海外の留学生で、学生なのに本国の家族に仕送りしている人もいますね(仕送りしてもらう側ではなく、学生が"仕送りをする側"なのです)。

もちろん、留学生のための奨学金もあって、経済的には余裕があるので仕送りができるという面もあるのでしょうが、それでも日本の学生(過去に学生だった人も含む)からするとちょっと驚きですよね。

また、日本と海外の物価の違いも魅力的だと思えるはずです。日本の物価は世界一ではない(確かスイスとかオランダが世界でも物価が高い国だったような記憶があります)のですけれども、それでも高い水準であるとは思います。

その物価差を考えると、日本の賃金は海外の国に比べて割高になるのでしょうから、日本で得た報酬を本国に送金すれば、ある種の裁定取引ができるわけです。そう考えると、日本で働くことに対する海外留学生のインセンティブは強くなるはずですから、仕事も他の人よりポジティブに進めるのではないでしょうか。


やはり、せっかく日本に来てくれた人材なのですから、なるべくならば本国には帰したくないと私は思います。


山口正博 社会保険労務士事務所
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