book318(着替える時間を勤務時間に含むか含まないか)






■含まなければいけない、、、?



「始業時の着替えは勤務時間に含むか」という点と「終業時の着替えは勤務時間に含むか」という点は長い間話が続いていますよね。

人によって「着替えは勤務時間に含む」と言ったり、また別の人は「着替えは勤務時間に含まない」と言ったりと結論が変わるのです。


長く議論するほどの話題でもなさそうな感じも抱くのですが、私は「着替えは勤務時間に含まない」という立場です。

なぜならば、勤務時間の"勤務"とは、「会社などに勤めて仕事をすること」という意味なのですから、「仕事をしている時間=勤務時間」と考えるのが当たり前です。

それゆえ、「着替えは勤務時間に含まない」と判断するわけです。







■どちらも正解。


ところが、上記のように素直に考えれば良いものを、「いや、会社に一歩でも入った時点から仕事だ」などと言う人もいるわけです。

確かに、会社に入った時点で労災の保護範囲に入りますから、上記のように言うことも可能なのかもしれませんね。

しかしながら、「労災の保護範囲に入った=仕事を開始した」というのは考え方に無理があるのです。

普通の感覚からして、強引な論理でしょう?

「いや、会社に一歩でも入った時点から仕事だ」など、、、子どもの主張みたいですよね。



もちろん、勤務時間の計算範囲を広げることは差し支えないことですから、会社に一歩でも入った時点から勤務時間をカウントしていただいても結構です。

ただ、着替えの時間を勤務時間に含めないからといって労働基準監督署から指導されることもないはずです。もちろん、着替えに数十分もかかるのに勤務時間に含まないとしていたら、指導があるかもしれません。

常識的に「着替えは仕事ではない」のですから、"勤務"時間に含めないのが通常の感覚(当たり前)です。

もし、着替えの時間を含めるとしても1日あたり僅か数分ですから、大勢に影響はありません。



ところが、「安全具など特殊な器具を付ける時間は勤務時間含む」という判断もあるのですね。

しかし、どれが特殊な器具でどれが特殊な器具でないかが客観的に分かりづらいですから、勤務時間に含む含まないでトラブルになったとしても、第三者の立場では解決できないかもしれません。


少々不満な部分があれども、実務では「法律では決めきれない部分」というのもあるのです。


山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所