2009/11/6【他社の勤務時間も計算に?】




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セブンイレブンの店内はおでんの香りが強いですね。

何か、モワーっとして生暖かい感じです。


他のコンビニでは感じない感覚です。




■他社の勤務時間も計算に?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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他社での勤務時間も考慮して時間外の勤務を考えるの??
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■あっちで○○時間の勤務だから、こっちの○○時間と合わせると、、。


ご存知のように、法定労働時間は「1日8時間、1週40時間(例外44時間)」という枠があらかじめ決まっていますよね。この枠内で勤務すれば法定内勤務、この枠を超えれば法定外勤務です。

では、ある会社で、社員さんが他の会社との掛け持ちで働いているとすると、時間の計算はどうなるでしょうか。


例えば、この社員さんはA社とB社で働いているとします。また、A社はいわゆる本業の会社とし、B社は掛け持ち先(兼業先)の会社とします。

その条件で、1週間の勤務時間が、A社で38時間、B社で18時間だったとすると、この社員さんは時間外の勤務をしたことになるでしょうか。


「A社で38時間、B社で18時間だから、、、合計すると56時間だよね。ということは、16時間分が法定外の労働時間だ」と考えるのか、

それとも、

「確かに、合計すると40時間を超えているね。けれども、他社の事情を自社で把握することはできないんじゃないの?A社がB社に対して、その社員さんの勤務時間を問い合わせることなんてできないでしょう?A社とB社を入れ替えても同じ。勤務時間も個人情報だからね」

どちらも正しいことを言ってそうですよね。


前者は累計の時間で把握しているのに対し、後者は会社ごとに区切って把握しています。

この場合、どちらが妥当なのでしょうか。






■他社との通算は必要とも思えるが、現実には通算できない。


法定労働時間の規制を設けた趣旨は、「長時間の労働によって、労働者に身体的負担および精神的負担がかかるので、ある一定の時間数までの勤務時間に制約する」という点にあります。

となると、労働者ごとに、1週間の累積の勤務時間で時間外勤務かどうかを判断する方が妥当かと思えます。この立場から考えると、先ほどの前者の考えの方が正しいのかなと思えてしまいます。

しかし、何か無理がある考え方だと思いませんか。

どこに無理があるかと言うと、「どうやって2社間の勤務時間を通算するのか」という点です。

2つの会社での勤務時間を合わせて時間外の勤務かどうかを判断するためには、相手の会社での勤務時間を把握しなければいけませんよね。



例えば、A社の立場だと、

(1週間の勤務が終了して、A社がB社に電話する。なお、勤務している社員さんは「柴田さん」という名前と仮定します)

プルプル、、、(電話音)

B社「はい、B社です」
A社「ああ、B社さんですか。お忙しいところ失礼します。」

B社「どうも。どのようなご用件で?」
A社「柴田さんの先週の勤務時間は何時間だったか教えていただきたいのですが、、、」

B社「ああ、はい。ええっと、、、18時間ですね」
A社「18時間ですか。ありがとうございます」

A社「用件はこれだけですので、それでは失礼します」
B社「はい、失礼します」

ガチャ、、、プープー(電話音)


柴田さんの勤務時間を通算するために、2社の間でこんなやり取りをするのでしょうか。

何か変だと感じませんか。


B社がこんなに簡単に柴田さんの個人情報(自社の勤務記録)を教えてくれるでしょうか。

聞く方も聞く方ですが、教える方も教える方です。他社にホイホイと自社の社員の個人情報を教えるわけがないですよね。

もし、2社の勤務時間を通算して時間外勤務の判断をしようと思えば、上記のようなやり取りをするわけですよね。

しかし、マトモな人ならこんなことできません。


ここで、「相手の会社から聞けないなら、社員さん本人からB社での勤務時間を聞けば?」と思う方もいるかもしれませんね。

でも、ですよ。社員さんが勤務時間の嵩を増して申告したらどうしますか。本当は18時間なのに、31時間とか言ったら、そのまま受け入れるのでしょうか。

こうなると適正に時間を管理できないですよね。



また、さらなる疑問として、他社との累積で勤務時間が1週40時間を超えたら、A社とB社のどちらが時間外手当を支払うのでしょうか。

雇用契約を先に結んだ方が優先なので、A社との雇用契約が先ならば、B社が16時間分の時間外手当(56時間-40時間=16時間)を支払うと考えたりするのでしょうか。このように判断してしまうと、B社が不満を持つでしょう。「18時間しか勤務していないのに、なんで16時間分の時間外手当を払うの?こりゃ、おかしいよ!」

一方、A社の立場に立っても、「当社では38時間の勤務だから、法定内の枠で勤務できている。にもかかわらず、他社の事情(B社での18時間の勤務時間)が加わって時間外手当を払うというのは納得できない。他社のことは他社で処理するべきでしょう」


ほら、ほら、無理が出てきたでしょう?

A社もB社もマトモなことを言っています。他社の事情をなぜ自社で考慮しなければいけないのかという点では共通していますね。








■勤務時間の把握は自社で完結させる。


他社の勤務時間を通算して法定労働時間に収まっているかどうかを判断するのは間違いなのです。法律を使わずとも、一般的感覚からも間違っていると判断できるはずです。


A社で38時間の勤務、B社で18時間の勤務だったら、柴田さんは法定労働時間を超えずに働いていると判断するべきなのです。

40時間の法定労働時間枠は、「会社ごとにはめ込むもの」であって、「個人ごとにはめ込むもの」ではないのです。


確かに、他社での勤務時間も通算するべきと考える方が法定労働時間制度の趣旨には合っているのかもしれませんね。

しかし、自分の判断(もしくは都合)でA社とB社の掛け持ちで働いているのですから、その事情を会社に考慮させるのは行き過ぎです。

もし、黙って掛け持ち勤務されたら、A社もB社も事情が分からないでしょうから、勤務時間の通算がなおさらに困難です。


ゆえに、勤務時間は会社ごとに区切って計算するのが正しいという結論になります。







┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記  ★☆━━━━━━━━━┓


ケータイの電話番号や写真データを、Dropbox(https://www.dropbox.com/referrals/NTMwODUxMzk)的に保存するサービスがあっても良さそうです。


ケータイを水に水没させたり、強い衝撃を与えると、中身のデータが消えることがありますので、このデータをサーバーに保存しておくわけです。つまり、ケータイのデータをサーバーのデータと同期させて同じ内容を保存するんですね。

こうすれば、データが消失しても復活できますし、ケータイ本体を変えるとき(機種変更や新規契約)にも以前のデータをゴッソリ移動できます。

さらに、キャリアを選ばずに使えるとなお良いです。

ショップの人にデータを動かしてもらう必要もないので、作業も自分でできるでしょうし、いいサービスだと思うのですよね。


誰かやらないでしょうか。




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