book291(所定労働時間で時間外勤務を判断しない)





■所定時間を超えたら時間外、、?


ご存知の方も多いはずですが、勤務時間には、「所定労働時間」と「法定労働時間」があります。

「所定労働時間」とは、会社が決めた勤務時間のことです。一方、「法定労働時間」とは、法律が決めた勤務時間のことです。


そして、時間外に勤務したかどうかを判断するときには、法定労働"時間外"に勤務したかどうかがポイントになります。


例えば、所定労働時間が8時から17時までの職場で、7時から12時までの半日勤務をしたら、7時から8時までは時間外の勤務でしょうか。始業時刻は所定では8時ですので、その時刻よりも早い7時から勤務していますよね。これは時間外の勤務でしょうか。

他には、所定労働時間の設定は上記と同様で、13時から18時までの半日勤務をしたら、17時から18時までは時間外の勤務でしょうか。終業時刻は所定では17時ですので、その時刻よりも遅い18時まで勤務していますよね。これは時間外の勤務でしょうか。



「所定労働時間の枠を外れているから、時間外の勤務だよね」と判断するのか、それとも、「時間外の勤務? そんなわけないでしょ!」と判断するのか。

どちらでしょうか。






■時間外の基準は客観的に決まっている。


答えは、後者です。

「時間外の勤務? そんなわけないでしょ!」が正しい判断です。


前者の判断では、「時間外」と表現する時の意味を、「所定労働時間外」と解釈していますよね。ここが問題です。


確かに、「所定労働"時間外"」なのだから、「時間外」で辞書的な意味は合っていますよね。「時間外は時間外じゃないか!」と言いたいわけです。

しかし、「時間外の勤務」と表現する時の「時間外」とは、「所定労働時間外」ではなく「法定労働時間外」の意味で解釈しなければいけないのです。


法定労働時間は、「1日8時間、1週40時間(例外44時間)」として枠が決まっています(変形労働時間制度を除く)から、この枠内で働いていれば法定内時間で勤務できていることになるわけです。

では、先ほどの例に戻ると、所定労働時間が8時から17時までの職場で、7時から12時までの半日勤務をした場合には、1日8時間を超えていないので、時間外の勤務にはならないです。また、13時から18時までの半日勤務をした場合も、1日8時間を超えていないので、時間外の勤務にはならないです。

確かに、所定労働時間の枠は外れているのですが、そのことでもって時間外の勤務になるという判断は間違いです。


時間外の勤務を判断するときは、「1日8時間、1週40時間(例外44時間)」の基準が原則です。この基準の枠内なのか、それとも枠外なのかを考えると間違いはなくなります。



 

山口正博 社会保険労務士事務所
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