book290(休暇を消化している段階で再就職)





■最終出勤日の翌日から休暇の消化が終わるまでの期間。



会社を退職するとき、最終の出勤日の翌日以降に、休暇だけを単独で消化するときがありますよね。

在職中は休暇をあまり使っていなかったので、休暇がたくさん残っており、退職を機にその休暇を消化しようという試みです。多い人だと、退職後に40日の休暇を消化する人などもいます。

では、退職後に休暇だけを単独で消化している状態で、別の会社に再就職したら何がおこるでしょうか。


特に何らの問題も無く再就職できるのか、それとも、何か考えるポイントがあるのか。

どちらでしょうか。






■休暇を消化しているならば、その期間は"在職中"の状態。



最終出勤日の翌日以降に休暇だけを消化している状態だと、厳密には退職した状態にはなっていません。

「もう出勤していないんだから、退職しているよね?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、休暇を消化するためには会社に在職していなければいけませんので、退職はまだしていないのです。「社員じゃないのに休暇を使える」というのはおかしいでしょう?

ゆえに、「休暇を消化している=会社に在籍している」と考えるわけです。

となると、会社に在籍している状態(=休暇を消化している状態)で再就職するとなると、「雇用保険と社会保険の扱い」、「兼職や副業の禁止ルール」、という2点を考えなければいけないですよね。


まず、「雇用保険と社会保険の扱い」を考えると、公的な保険は雇用契約と連動して運用しますから、在職している会社を経由して公的保険に加入します。

例えば、8月31日が最終出勤日で、休暇が30日残っており、9月1日以降に消化するならば、再就職先での保険加入は、10月の中頃になる(公休、週休、祝日には休暇を充当しないので、休暇の消化時期が後にずれる)でしょうか。その時期までは、前の会社で公的保険に加入し続けます。

それゆえ、勤務はしていないが休暇だけを消化している状態の会社で公的保険に加入します。再就職先の公的保険に加入する時期は、休暇の消化が終わった段階(前の勤務先での雇用契約が終了した段階)です。

なお、退職時に残っている休暇を、時間的に消化するのではなく金銭で補償するならば、最終出勤日の段階で退職にすることも可能ですね。



あとは、「兼職や副業の禁止ルール」です。

「兼職や副業の禁止ルール」は、就業規則に書かれていることが多いのですが、実際にどれほどキチンと運用されているのかは会社によって違います。

厳密に運用する会社だと、パートでちょっと働く程度でもダメと言われるでしょうし、一方、緩く運用している会社だと、兼職や副業についてのルールはあるものの、使っていない場合(形式的な禁止だけで、実際には制約無く兼職や副業ができる状態)もあります。


ゆえに、「兼職や副業の禁止ルール」の程度は会社ごとに違うので、各自が会社に確認しないといけません。

最終出勤日以降で、休暇だけを消化している状態ならば、在籍していても再就職を許すかもしれませんし、許さないかもしれません。

「出勤していないのだから、支障は無い」とも判断できるし、「在職していることには変わりない」とも判断できますからね。


同じ「兼職や副業の禁止ルール」であっても、会社によって程度が違うので、客観的に判断しにくいのです。




 

山口正博 社会保険労務士事務所
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