book287(有給休暇を周知する義務はないけれども、、、)




■周知する必要がないからといって、周知しないと、、、。


ご存知のように、有給休暇は、一定の期間にわたって継続的に勤務すると、一定の日数の休暇が付与される仕組みです(もちろん、出勤率の条件を満たすことも必要)。

この休暇は、勤続期間と出勤率の条件を満たすと当然に付与される休暇ですので、休暇が付与されたことを会社があえて社員さんに告知するする必要まではありません。

そのため、社員さんに対して、休暇について何らの告知もせずに過ごしている会社もあるのではないでしょうか。会社によっては、「ウチの会社には有給休暇制度はない」とまで言っているところまでありますね。ちなみに、有給休暇制度は、その有無を選択できる制度ではなく、全ての会社に自動的に備わっている制度です。


ところで、告知する必要はないからといって、あえて告知せずに社員さんに休暇の存在を気づかせないようにするのは避けた方が良いでしょうね。

通常、「他の会社では休暇があるのに、何でウチの会社では無いのか?」という疑問を持つのは当然ですから、休暇の存在を隠すのはまず無理です。





■全ての人に有給休暇があるということは、ほとんどの人が知っている。


会社で働く全ての従業員の人に有給休暇はあります。

労働基準法の適用除外になる一部の役員等は除きますが、その他の人は全て休暇の対象です。もちろん、フルタイムの正社員に限定されるものではないですので、契約社員であろうと、派遣社員であろうと、パートタイム社員であろうと、学生のアルバイトであろうと、全ての人が休暇の対象です。

もうほとんどの人がこのルールを知っているはずです。それゆえ、会社が休暇について何も言わなくても、社員さんの側から何らかの問い合わせがあるはずです。

労働組合がある会社だと、高校生のアルバイトでも有給休暇をキチンと付与していますね。あと、当然でしょうが、会社が上場するとルールを守る会社が多くなりますね(突如としてキチンとし始める)。

一方で、たとえ大きな会社であっても、労働組合がなかったりする会社だと、どうもルールを守っていないところもあります。もちろん、労働組合があっても適正な環境になっていない会社もあります。


「高校生のアルバイト社員に対しても有給休暇を付与しているかどうか」という点は、その会社の労務管理の程度を判断する指標の1つになるのではないでしょうか。


有給休暇について告知するのは面倒と思っている人もいるのかもしれませんが、休暇について周知するのはさほど難ではなく、給与明細に休暇の残日数を書く欄を設けて、その欄に日数を書いておくだけで足ります。


ゆえに、「周知義務はないけれども周知せよ」という結論になりますね。

「知らないだろう、気づかないだろう」と思っていると、"思わぬ結果"が待っています。



 

山口正博 社会保険労務士事務所
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