book284(36協定の限度を超えたら、、)




■協定を超えて働く。


36協定には限度時間が設定されていますよね。

1週間で15時間、1ヶ月で45時間というように、時間外勤務の上限時間が決められているわけです。なお、この上限時間には法定労働時間は含みません。つまり、1週間の期間だと、40時間の法定労働時間上限と15時間の時間外勤務の上限があるという構図です。

会社によっては、1日あたりの限度時間を定めていたり、1ヶ月の限度時間を45時間ではなく35時間とか30時間に抑えて協定を締結しているところもあります。時間外勤務を減らしたいならば、36協定の設定時間も短めに設定しておきたいですね。


では、協定で決めた限度時間を超過して勤務するとどうなるのでしょうか。

例えば、1ヶ月の限度時間を30時間に設定して協定を締結している会社があるとして、その会社で1ヶ月に36時間の時間外勤務が行われたら、どうなるのか。

なお、上記の例では、特別時間の設定はしてない。もしくは、特別時間を設定していても33時間が限度であり、その特別時間の限度も超えてしまっていると仮定します(特別時間とは、36協定の特別条項による上限時間のことです)。





■罰金や逮捕もありそうな感じだが、現実は「指導」で終わる。


たとえ限度時間を超えても、「特別条項を使えば対応できるのでは?」などと言う人もいますが、特別条項は常に使える条項ではありません。

"臨時的に"上限時間を延ばせるのが36協定の特別条項の効果です。期間、時間数、回数、理由を限定して使えるのが特別条項ですので、ずっと特別条項の効果を持続させることはできないのですね。

常に上限時間を超えて働くような職場で、特別条項の効果を持続させることはできません(「常に」ならば、そもそも特別条項を使えないとも言える)。


では、上限違反をするとどうなるかというと、法律的には罰金や逮捕、懲役があるのですが、実際には「指導」を行うことで対応しているようです。いわゆる是正勧告ですね。

ただ、指導にどれほどの効果があるかが分かりませんし、管轄の労働基準監督署によって対応も違う(厳しいところと厳しくないところがある)のでしょうから、違反した後にどうなるかが分かりづらいです。

罰金や逮捕というのは、めったなことではするものではないですし、監督署の人もやりたいとは思っていないはずです。

さらには、たとえ限度時間を超えていても、時間外手当がキチンと払われているならば、手当の不払いで指摘する(最近の流行)ことはできませんから、なおさら対応が分かりにくいです。


余談ですが、繁盛してない(or儲かっていない)会社ほど労働時間が長かったりするのですが、何を長々とやっているのでしょうね。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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