book282(変形労働時間制度と休日勤務が衝突する)





■勤務時間が変形していると、休日も変形する?


ご存知のように、変形労働時間制度は、「1日8時間、1週40時間(44時間)」の枠を変形させる制度です。

例えば、1ヶ月単位の変型ならば、1ヶ月の時間総枠で法定労働時間をやり繰りするわけですね。


そこで、例えば、1ヶ月の変形労働時間制度を利用している前提で、ある月の休日(日曜日と仮定します)を出勤日に切り替えるとします。休日が出勤日に変わると1ヶ月の勤務時間も増えますが、1ヶ月の労働時間の総枠の中で収まったとします(法定時間外の勤務は無かったということ)。

ただ、この会社の就業規則では、法定休日を日曜日と決めており、日曜日に出勤したときは休日割増手当を支給すると決めている、という事情が加わるとどうなるでしょうか。


日曜の出勤は労働時間の総枠に収まっているので、特に対処することはないのか、

それとも、

確かに労働時間は総枠に収まっているが、休日の取り扱いは別枠だから手当が必要なのか。

どちらでしょうか。





■変形労働時間制度でコントロールするのは「時間外の勤務」。


結論を先に言えば、後者が正しいです。

なぜならば、変形労働時間制度は、「法定時間外の勤務」を制御する制度だからです。

「1日8時間、1週40時間(44時間)」という固定の枠を変形させて、1日8時間を超えて勤務したり、1週40時間を超えて勤務したりできるようになるのが変形労働時間制度なのですね(時間外勤務に対する手当は必要ない。ただし、労働時間の総枠を超えると法定外の勤務になる)。


つまり、変形労働時間制度が考慮するのは法定労働時間内で勤務しているかどうかであって、休日勤務については別枠で取り扱うのです。

ゆえに、休日勤務を実施して、たとえ労働時間の総枠で収束したとしても、法定休日勤務に対する割増手当は別枠で用意するわけです。


変形労働時間制度には、法定労働時間の枠を変形させる効力はありますが、休日まで変形するほどの効力はありません。

もし、休日を変形したいならば「変形休日制度」を使って下さい。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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