book277(閑散期だから休んでもらう)




■暇だから手当無しで休んでもらいたい。


1年を通して仕事が継続的にある業種ではなく、繁忙期と閑散期が分かれていると、閑散期には社員さんに休んでもらうことを考える会社があります。

確かに、仕事が少ない時期にわざわざやるべきこともないのでしょうから、休んでもらいたいという要望はあるのでしょうね。

ただ、単に休ませるというわけにはいかないのが労務管理なのです。


会社の都合(閑散期で休ませることを含む)で社員さんを休ませれば、ノーワーク・ノーペイという扱いはできなくなります。「暇だから手当無しで休んで」とはならないのですね。





■対価を払わず雇用だけを維持するのは無理です。


閑散期に休ませるということは、雇用契約を維持したまま休むということですね。社員さんを解雇して閑散期を迎え、繁忙期になればまた雇用するというわけでもなさそうです。

となると、「仕事はないが雇用状態をロックしている」という状態なのですね。

ならば、雇用状態をロックしている対価として休業手当が必要です。

日本にはlay off制度がないので、もし、休んでもらうが休業手当は払えないとなると、雇用契約を解除するべきです。

手当を用意せずに休職させ、あるとき「仕事ができたから戻ってきてくれ」といっても、そう都合良く社員さんも動いてくれないかもしれません。もう他の会社で働いているかもしれませんし、自営で商売を始めているかもしれません。


会社によっては、休業手当ではなく有給休暇を充当しようと考えるところもあるのですが、本来、休業手当を用意すべき場面であるにもかかわらず、有給休暇で対応することはできません。会社の都合で休まされて、なぜ有給休暇を使わねばならないのかと社員さんは感じるはずです。


雇用契約を締結しているならば、会社は社員に継続的に仕事を供給する必要があるのですね。もし、仕事を供給できないならば、手当を用意してスタンバイ状態にさせるか、解雇するか、このどちらかになります。

人を雇うには相応の負担が伴うのですね。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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