book275(定時を超えたからといって時間外勤務になるわけではない)




■定時を過ぎたら時間外の勤務になる、、?


定時とは、「予定通りの時間」という意味です。定時総会、定時制高校、定時に到着、定時に出発などのように使われる言葉です。

会社でも定時という表現が使われることがあり、定時に出勤、定時に退社というように使うようです。


ただ、定時という言葉を使っていると、「定時よりも早く出勤したから早出残業」とか、「定時よりも遅く退勤したから時間外勤務」だと考える人もいます。

つまり、定時を基準に早出残業や時間外勤務を判定しているのですね。

しかし、早出残業や時間外勤務というのは、定時を基準に判断するものなのでしょうか。

確かに、定時という概念を使えば分かりやすいのかもしれませんが、基準の設定は妥当なのかが疑問です。






■定時は会社が決めた枠。法定労働時間は法律で決めた枠。


端的に言えば、「定時」というのは、会社が決めた枠であって、法律が決めた枠ではないのです。

早出の残業になるかどうか、また、時間外の勤務になるかどうかは、原則として会社の枠ではなく法律の枠で判断します(ただし、会社の枠を優先するという社内のルールでしたら別です)。

つまり、定時外だから時間外勤務になるのではなく、法定外だから時間外勤務になるのですね。

法定の枠は「1日8時間」「1週40時間(例外44時間)」ですから、この枠を使って早出残業や時間外の勤務になるかどうかを判定するわけです(ただし、変形労働時間制度を採用している場合は除く)。

例えば、8時から14時までの6時間が定時として、6時から8時までの間に出勤して就業したとすると、1日の勤務時間は8時間ですから、6時から8時までの勤務も法定内の勤務なのです。社内的には6時から8時までの間に勤務すると早出残業になる(早出手当を支給する会社もある)のかもしれませんが、法律では残業にはならないのですね。


ゆえに、早出残業や時間外勤務を判定するときは、会社の枠を使うのではなく、法律の枠を使うわけです(ただし、会社独自に手当を支給したりするのは構わない)。




 

山口正博 社会保険労務士事務所
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