book272(交通費調査は1年に1回だけでもやるべき)




■最初に聞いただけであとはそのまま、、、。


一般に、ほとんどの会社では、電車やバスを使って通勤していると交通費が支給されるはずです。全額支給や一部支給という違いはあるものの、支給自体はあるのが大半ですね。

また、多くの会社では、入社時点で、利用する交通機関や交通費を社員さんから聞き取り、その内容通りに交通費が支給されるはずです。

ところが、入社時点で交通費について聞いたきりで、その後は特に確認もせずにそのまま交通費を支払っている会社もあるのですね。

もしかしたら、社員さんは引っ越ししているかもしれませんし、電車で通勤していたけれども今は自転車で通勤しているかもしれませんし、バスを使っているけれども徒歩も加えて通勤しているかもしれません。

つまり、時の経過と共に必要な交通費も変わる可能性があるのですね。変わるのは当たり前のことなのですが、分かっていても現場の行動には反映していなかったりするものです。





■調査しないから交通費の過払いになる。


たまに、交通費の過払いが発生して、会社から過払い分の返還を求められたという方もいらっしゃいます。

会社が交通費の利用実態を確認していなかったのか、それとも、交通費を余分に受け取っているということを社員さんが知っていて申告しなかったのか、理由は様々あるのでしょうが、交通費の過払いというのは起こりうるのですね。


中には、1年分や2年分の過払いになっていることもあるようで、おそらくそれら会社では定期の交通費調査はしていなかったのではないかと思うのです。

6ヶ月に1回とか1年に1回という期間で交通費調査をしていれば、たとえ過払いが発生しても対処が容易な状態であることが多いはずです。ところが、調査をしていないと、長い期間が経過してから過払いが分かり、金額も大きくなって、返還するとしても返還しにくい状態になってしまうのです。


それゆえ、定期の交通費調査が必要なのですね。

使っている交通機関、どの駅からどの駅まで、どのバス停からどのバス停までなどの経路、自家用車を使っているならば通勤距離や排気量などを確認したり、通勤経路の地図を書かせたりする会社もあります(通勤労災でも使えそうですね)。

調査書類は自己申告の書類ですが、もし虚偽の事実(徒歩なのに電車通勤として申告するとか)を書くと懲戒対象になる会社もあります。


「過払いの交通費は不当利得だから当然に返還される」と思うのが普通なのでしょうが、交通費の実態を把握する作業を会社が怠っているならば、そう簡単には返還されないのではないでしょうか。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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