book269(勤務記録の写しを求める人)





■給与内容と勤務記録を合わせたい。


給与の支給を受けると、給与の明細とは別に、勤務記録のコピーが欲しいと思う人がいらっしゃいます。

給与明細には「結果」しか書かれていませんから、その結果に至るまでの「過程」を知りたいと思うのでしょうね。


確かに、給与データの受付を締めた後は、もうその内容を確認することはできなくなります。例えば、タイムカードは会社が回収しますから、社員さんの手元には残らないはず。ただ、会社によっては、過去の勤務記録をファイルしておき、いつでも参照できるようにしているところもあります。

社員さんによっては、会社がタイムカードを開示しないと、「勤務記録を改ざんしているのでは?」と思う人もいるのかもしれません(私はここまで無法な会社を知りませんが)。

「実際の勤務記録と給与明細の内容を合わせて、合っているかどうかを確認して安心したい」という気持ちは確かにあるのでしょうね。






■締める前に確認する作業を挟むと、コピーは要らなくなる。


勤務記録の写しが欲しいと求められても、応じる義務は特に無い(労働基準法では)のですが、個人情報の開示請求(個人情報の保護に関する法律)には該当しますよね。

個人情報の保護に関する法律30条では、開示請求について書かれています。
※参考法文(http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kojin/houritsu/index.html

本人の情報だから、開示要求はできるというわけです。なお、コピー代は手数料としてもらうこともできるようです(30条1項)。おそらく、タイムカードだと裏表をコピーして20円なのでしょうが、、、(細かい、、)。


ただ、コピーを用意するのも手なのですが、確認ができるようになっていればコピーも必要なくなるはずです。

例えば、給与を締めるまえに、「日ごとの勤務時間」、「休憩時間」、「時間外勤務の時間」、「深夜勤務時間」、「有給休暇の使用状況」などを確認するために、締め日前にその月の勤務記録一覧表を社員さんに提示し、確認のサインや印をもらうという方法があります。

もし、25日に締めるならば、24日までに今回の計算期間分の勤務記録を開示して、本人に確認してもらうわけです。

おそらく、本人に月間の勤務記録を確認させずに締めてしまうから疑問を持つ社員さんもいるのではないでしょうか。

ゆえに、毎月締める前に確認をしてもらえれば、タイムカードや勤務記録のコピーまで必要はなくなるのではないでしょうか。


他にも、前月分の勤務記録だけをファイルで綴じて、社員さんが参照できるようにしておくのも有効でしょうね(それ以前の勤務記録は会社で保存。期間は3年ですね)。社員さんが確認したいのは「その月の明細」なのでしょうから、前月分を用意するだけでも対処できそうです。

要するに、締める前に事前確認できる仕組みがあれば、社員さんも不安にならないわけです。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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