book264(休暇を無期限にわたって繰り越し)




■時効がなくなって、いつまでも利用できる休暇に。


有給休暇には2年の時効がありますが、この時効を延長したり、ときには時効を設定しないという会社もたまにあるようです。

例えば、2年を2年6ヶ月にしたり、3年にしたり、もしくは時効そのものを設定しないというルールにしてしまうわけです。



たしかに、時効というのは、短縮するのはダメですが、延長することは特に支障はありません(労働基準法に限定して)。

なぜならば、時効に達すると権利が失効するところを、時効を延長したり無しにしたりすれば、権利が失効しにくくなったり、失効しなくなったりするので、それが労働者にとって有利になるからです。


ただ、時効を延長することは有り得たとしても、「無期限」にまでする意図は何なのかが知りたいところですよね。

社員さんにとって良いことだから期限をなくしたのか。

期限だけを無期限にして、実際には、いつまでも休暇を取得できないという状態を作ろうとしているのか。

休暇を使いにくい環境で、休暇が時効になると不満が出るが、たとえ休暇を使えなくてもずっと有効にしておけば不満もでないだろうと考えているのか。

それとも、時効で消滅してしまうのは社員さんが困るから、無期限に有効としたのか。


いろいろと意図を想像してしまいますよね。


時効の延長や期限無しが、本当に「社員にとって有利になるので問題ない」と言い切れるのかどうかが疑問なのですね。






■有利になるか不利になるかは分からない。


休暇の時効を延長したり、時効を無期限にしたりするときには、その「意図」が何なのかを知らねばなりません。

先ほどのように想像すると、時効の延長や無期限化には、「良い意図」と「良くない意図」があります。


考え方によっては、社員さんにとって嬉しい仕組みになるのでしょうが、別の考え方をすると、社員さんにとっては嬉しくない仕組みにも思えたりします。

休暇を取得しにくい会社で、時効の延長や無期限化を実施したとなると、おそらく良くない意図があるのではないかと私は考えます。

普通に休暇を消化できている会社ならば、時効の延長や無期限化など考える必要もないのですから、このようなコトを考えているとなると、何か事情があると考えざるを得ません。


確かに、時効を延ばすということや期限を無しにするということ自体は悪くはないのですが、なぜ延ばしたり期限を無しにしたりする必要があるのかを考えると、やはり変な意図があるのではないかと思ってしますのですね。

「どうして、わざわざ会社が不利になるような仕組みを会社自身で採用するのか?」
こう考えると、やっぱり変だと感じるはずです。


有給休暇の時効を延ばすことが、必ずしも社員さんにとって有利になるとは限らないことは知っておきたいですね。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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