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業務中のトラブル 会社の備品を壊した時に備える

物を壊す



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今日のTOPIC
1: 会社の備品を壊した時に備える。
>>>修繕は誰がするのか。
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■■  業務中のトラブル 会社の備品を壊した時に備える
■■  修繕は誰がするのか。
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■修繕するのは誰?


会社には色々な備品や設備があります。

ボールペン、コピー用紙、コピー機、パソコン、長靴、旋盤機、
溶接設備、携帯端末、車やバイク、、、。


会社から貸与される備品や利用できる設備というのは、会社の
所有物ですから、それを壊してしまうと、所有者である会社に
対して補償をしなければいけないこともあります。

社会一般では、人の持ち物を壊せば、それを補償をするのが
当たり前なのですが、会社という環境になると、当たり前が歪む
ような場面にも直面します。



例えば、社員さんが会社の備品を損壊したり滅失したときには、
誰が費用を負担するのでしょうか。

常識で考えると、社員さんが負担するとなるのですが、現実には
必ずしもそうなっていませんよね。


何かを壊すと、確かに怒られるけれども、弁償しろとまでは
言われないのがほとんどではないでしょうか。


また、備品や設備の人災による損壊や滅失については、規定など
で後処理を特に決めていない会社がほとんどです。


この点は、小規模な会社に限らず、大きな会社でも手薄なのでは
ないでしょうか。


通常は、損壊や滅失は事前に予測することができないから、
実際に起こってから、その場で対応するしかないと思ってしまい
ますよね。






■ルールは決めない?それとも、決めにくい?


決めにくいからといって、決めないでいると、後から負担になる
こともあります。

もちろん、何でもルールにすれば良いわけではありませんが、
あらゆる事態に想定したルールではなくても、"指針"ぐらいは
あった方が良いかと思います。



私の知る限りでは、よほど意図的に備品を壊さない限り、社員さん
の負担になることはないです。

ただ、何でも会社の負担にするとなると、社員さんの緊張感が
薄れますから、備品や設備を大事に使ってもらえるように方向
付ける必要があるわけです。



例えば、


窓ガラスをわざと足で蹴って割るとか、
むしゃくしゃしてパソコンを放り投げるとか(こんな人はいないのかも、、)、
部屋の入り口にタックルして鍵を壊したとか(なぜ、タックルなのか、、、。熱血漢すぎる、、)、


こんな場合は、すべてを会社の負担にするわけにはいきません。


そこで、何かを壊したときには、「過失割合」、「費用負担
割合」、「価値の減価」を考慮して処理をするのが通例です。


「わざとか、故意か」
「お互いがどこまで費用を負担するのか」
「壊れた物品の現在価値はいくらなのか」

という点を踏まえて、処理をするわけです。





■壊れても会社が負担してくれることが多いが、、、


例えば、費用の負担割合を設定するとなると、まず、物品の購入
価格が上限となります。


つまり、300万円で購入した物を壊しても、最大の負担額は300万円
が限度なのですね。

もし、壊れた物品の修理費用が400万円必要になったとしても、
壊した人にとって300万円以上の負担にはならないわけです。

ただ、実際には、時間の経過と共に物品の価値が減少している
ので、購入価格で補償することはあまりないのではと思います。


また、ルールを決めるときは、負担の「割合」と「額」で分ける
ことができます。


「物品を損壊もしくは滅失したときは、補償すべき額の50%を
負担の限度とします」というように、負担割合の上限を決める
とか、

他には、「物品を損壊もしくは滅失したときは、補償すべき額の
うち30万円を負担の限度とします」というように、負担額の上限
を決めるという方法があります。


もちろん、50%や30万円と固定しているのではなく、状況に応じて
それ以下の割合や額にもなります。


もし、万一、会社の物品を壊せば、「ここまでの負担は有り得る
のだな」と思ってもらうのが狙いですね。




また、価値の減価を考えると、物品というのは、時間が経過するに
従って、価値が下がっていきます。

例えば、車というのは、新車で購入して、乗った時点で、価値が
3割ぐらい減少するはずです。つまり、500万円の車は、乗った
時点で350万円に価値が下がるんですね。

もちろん、価値が上昇する物品(美術品、ビンテージワインなど)
というものはありますが、あくまで例外です。


ただ、価値の減価を考え出すと、では、どのように減価された
価値を把握すれば良いのかという疑問が湧きます。


税務の分野では、「法定耐用年数」という指標がありますが、
これは特定の物(車、パソコン、建物)に対して特定の年数を
割り当てた制度ですから、対象を他の物に変えて使える制度として
設計はされていないのですね。


それゆえ、会社の設備や備品の耐用年数がどれくらいで、その
価値がどれくらいの速度で減少していくのかというのは決まって
いません(もちろん、法定耐用年数が決まっている品物ならば、
減価償却の取り扱いも分かります)。


毎年10%ずつ価値が下がると決めるのもアリですし、法定耐用年数
の対象物に準じて決めるのもアリです(例えば、携帯端末ならば
パソコンと同様にするということ)。



会社の備品は大事に使っていただくのが良いのですが、壊せば
費用の負担も有り得ると思ってもらうのは緊張感を高めますので、
良いのではないかと思います(ただ、程度の調整が難しいです。
全部会社でもダメ、全部社員でもダメですから)。


会社の負担だからといって、無駄にコピーしたり、ホッチキスの
玉を無駄遣い、備え付けの鉛筆を持って帰ったりと、人の物と
感じていると、平気になってしまうものなんですね。

人は、自分の物は大事にするくせに、人の物はぞんざいに扱ったり
します。


物品損壊や滅失の費用負担について事前に決めるのは難しい
のですが、負担の「割合」と「額」の上限ぐらいならば決める
ことができるのではないでしょうか。

 
 
 
 

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

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【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

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残業管理のアメと罠

 

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【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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