年俸に手当を含むのはダメ!、、、とは言い切れない。
年俸制であっても時間外勤務の手当は別途で計算して、支払わなければいけない、ということはよく言われていますね。
確かに、年俸制だからという理由で、時間外手当を計算せずに、年俸の中に含んで支給しているとするのは「原則として」ダメです。
しかし、これはあくまで「原則」です。
原則はダメなのですが、例外はOKになることもあります。
「年俸制に手当を含むのはダメ」と杓子定規に理解していると、間違うこともありますので注意が必要です。
年俸が特に高いと、手当込みでも許している。
年俸制に時間外手当を含んで良いかどうかは、形式的に判断するのではなく、実質的に判断します。
似たような例では、管理職の判定でしょうか。
管理職かどうかを判定するときは、店長だから管理職とは限らないですし、また、本部長だから管理職とは限らないですし、専務だから管理職とか、取締役だから管理職とか、役職で管理職かどうかを判断するのではないのですね。
役職のような形式で判断するのではなく、実態で判断して管理職かどうかを決めるわけです。
話を戻せば、年俸制と時間外手当も同様です。
年俸に手当を含むのは、いかなる勤務条件であれダメと考えるのではなく、個々の勤務条件に合わせて、その可否を判断するのが実務です。
以前も、似たことを書いています。
(http://www.soumunomori.com/column/article/atc-64099/)
こちらでは、モルガン・スタンレー・ジャパン・リミテッド超過勤務手当請求事件の内容が記されています。
(http://www.rengo-hokkaido.gr.jp/siryou_hanrei_09morganstanley.html)
外資系投資銀行や商業銀行、外資系コンサルティング会社だと、上記の判例のような結論になるのでしょうか(ちなみに、私はこの判例に賛成です)。
もし、日本企業で「年俸に時間外手当を込み」としていたら、おそらく「クロ」ではないでしょうか。
日本企業の会社員で、年俸2,000万円や3,000万円という報酬を受け取っている人はそう多くないでしょうからね。
こちらにも興味がありませんか?