book188(在職老齢年金は「年金」ではない)






■そんな年金は無い。


過去に、「在職老齢年金」という言葉を聞いたことがある方も少なからずいるかと思います。

在職老齢年金とは、簡単に言えば、「厚生年金を受け取っているときに働くと、年金の受取額を減額して調整する」仕組みのことです。


ただ、人によっては、「在職老齢年金という年金がある」と思っているようで、「その年金はいつもらえるのか?」とか「金額はいくらなのか?」という質問をしたります。



ちなみに、在職老齢年金は厚生年金専用の制度であって、国民年金には在職老齢年金制度がありません。

また、厚生年金といっても、老齢厚生年金だけが在職老齢年金制度の対象です(障害厚生年金や遺族厚生年金は対象外)。


ただ、何をさておき、一般の人が抱く一番の誤解は、「在職老齢年金という年金がある」という誤解だと思います。


確かに、「年金」と表記されているものですから、「あぁ、そんな年金も貰えるのかなぁ」と思うのも無理はありません。


しかし、そんな年金はありません。






■「年金」というよりも「制度」です。


端的に言えば、在職老齢年金は「年金」ではなく、「制度」です。

更に言えば、「年金の受取額を調整して減額するための制度」です。


年金を受け取っている人が働くと、一定の条件で年金の受取額が減ります。

なぜならば、働いている人は給与を受け取っているので、年金を減額しても困らないだろうと判断されているからです。



しかし、「働いて年金が減るならば、働かない」と判断する人も出てきますよね。

こうなると、生活保護と同じような様相を呈するようになります。


働かずに生活保護手当を受け取る方が有利だから、それゆえ働かないという判断をする人もいますので、この状況と在職老齢年金制度の状況は似ているわけです。


「働くと減る」という結果を人は嫌がるのでしょうかね。


ゆえに、「在職老齢年金という年金が支給される」と考えるのは間違いで、「在職老齢年金という制度が年金額を調整する」と考えるのが正しいです。



 

山口正博 社会保険労務士事務所
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