2009/7/7【勤務時間が短くなったから資格喪失?】

┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/7/7号 no.104)━


こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。



このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。

興味本位で読むのもよし。

つまみ食い感覚で読むのもよし、です。

どうぞ、自由にご活用下さい。


===========================
今日のTOPIC
1: 勤務時間が短くなったから資格喪失?
>>>そんな簡単に社会保険の資格を喪失できるのか

2: 編集後記

===========================





■■  勤務時間が短くなったから資格喪失?
■■  そんな簡単に社会保険の資格を喪失できるのか
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





■勤務時間が短くなっても資格喪失?


ここに、

「今までは週40時間で勤務していたのですが、来月からはパート
タイム社員になりますので、週20時間の勤務になります。
この場合、社会保険の資格を喪失するのでしょうか?」


という疑問を持った方がいるとします。


この場合、資格を喪失するのでしょうか。それとも、喪失しない
のでしょうか。



ご存知の様に、社会保険の資格を喪失する主な理由は、「退職」、
「死亡」、「70歳到達」という3つの理由がありますよね。

しかし、今回は、上記3つの理由のどれにもあてはまりません。



退職していないのに資格喪失するのでしょうか。


さらには、この社員さんは死亡していませんし、70歳にも
達していません。

にもかかわらず、社会保険の資格を喪失するのでしょうか。



つまり、「勤務時間が短くなったから」と言う理由で資格喪失
できるのかが今回の疑問点です。


いわゆる「3/4条件」に当てはまらなくなったので、社会保険から
脱退するわけです。



他の例では、フルタイムからパートタイムになる場合だけでなく、
休業によって週20時間まで勤務時間が減ったという場合も有り
得ますね。


このように休業の場合でも、社会保険の資格を喪失するので
しょうか。


悩みますね。







■資格喪失の理由は「3つだけではない」。


「加入していない状態→3/4条件を満たす→加入」という流れ
ならば、皆さんもご存知ですよね。


しかし、今回は状況が変わって、「加入している状態→3/4条件を
満たさなくなった→脱退する?」というのが本題です。


加入することについては情報が多いのですが、後から資格喪失する
ことについては意外と情報が少ないですよね。



健康保険法36条(資格喪失のルール)を読むと、

1.死亡したとき。
2.その事業所に使用されなくなったとき(退職)。
3.第3条第1項ただし書の規定(健康保険の適用除外者)に該当するに至ったとき。
4.第33条第1項の認可(会社が社会保険の適用事業所から外れる)があったとき。

という4つの資格喪失パターンだけが書かれています。

あと、70歳到達の理由については、被保険者は70歳未満という
制限から導いたものです。


まとめると、資格喪失の理由は、「退職」、「死亡」、「適用
除外」、「事業所が社会保険から適用除外になる」、「70歳到達」
という5パターンですね。


では、「上記の4つ(70歳到達は別枠とします)に該当する場合
だけ資格喪失するのか(これを制限列挙と言います)」、
それとも、「上記の4つはあくまで例であって、それ以外の理由
でも資格喪失するのか(これを例示列挙と言います)」、という
点で考えが分かれます。


実務では、「一時的に3/4条件を割り込んだ(休業の場合)
ならば、そのまま資格喪失しない。一方、恒常的に3/4条件を
割り込む(フルタイムからパートタイムに契約変更)ならば、
資格喪失する」という判断が行われています。


他にも、「役員が無報酬になったとき」も資格喪失できる
ようです。


もちろん、3/4条件を満たさなくなっても、現状のままで加入し
続けることは可能です。



ちなみに、社会保険事務所では、いわゆる「3/4条件」で形式的に
判断しているようです。

つまり、3/4条件のみを根拠に、社会保険の加入の可否を判断して
いるということです。


「3/4条件を下回れば資格喪失できる。一方、3/4条件を下回ら
なければ資格喪失しない」と判断するわけです。



となると、会社が社員さんの同意の上で、勤務時間を減らして、
3/4条件を下回るようにすると、「任意で」社会保険の資格を喪失
できるとも考えれますよね。



社会保険の強制加入という言葉の「強制」というのは、どの程度
の強制なのでしょうか。


最近では、大して強制していないのではないかと思えてきました。








■「一度入ったら、出れない」と覚悟して入るべき。


私は、「一度加入したら、退職するまで脱退できません」(本当
はそうでなくても)と言っておりますので、簡単には資格喪失
させないように案内しています。


もちろん、先ほどまで説明したように、在職中の資格喪失という
のは可能です。


しかし、意図的に勤務時間を短縮すれば資格喪失できるとなると、
会社がこれを利用することもあり得るわけです。


週40時間が標準の職場で、給与水準を維持しながら週30時間未満の
勤務時間にして、社会保険から抜けるということも不可能ではない
ですからね。


ゆえに、私は、ハッタリでも「一度入ったら、出れません」と
あえて言うようにしているわけです(継続して加入した方が社員
さんが安心するため)。


会社のコントロールで、加入したり、脱退したりされると、社員
さんは不安でしょう。




蛇足ですが、パートタイム社員さんの社会保険というのも、
なかなかアバウトですよね。


パートタイムの場合、社会保険に加入させるかどうかは会社が
ある程度コントロールできてしまいますから、ルール通りに厳密に
加入しているかどうかは分からないんですね。



裁量の余地を残しておくのが良いか、それとも、tightにルールを
適用するのが良いか。


これは答えにくいですよね。











 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>編集後記


昔の人は、サンダルのことを「つっかけ」と言いますね。


私の祖母も「つっかけ」と言っています。

おそらく、「突っ掛け草履」という言葉から由来しているようで、
「足の指先に無造作につっかけて履く草履」から影響を受けている
のかと思います。


草履ですか、、、。

今のサンダルは藁とか竹皮、灯心草など使っていませんからね、、、。


ただ、意外と今なら、藁草履とか竹皮の草履もオシャレかも
しれませんね(誰も履いていませんから希少なもの)。



他にも、「突っ掛け者」という言葉もあって、「人を頼みとして
何事も投げやりにしておく者(ヒドい奴です)」(広辞苑 第5版)
らしいです。







今回も、定期レポート【本では読めない労務管理の「ミソ」】を
お読みいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。

労務管理のヒント

http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_2

ニュース

http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_3


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┃本では読めない労務管理の"ミソ"山口社会保険労務士事務所 発行
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃メルマガの配信先アドレスの変更は
http://www.growthwk.com/entry/2008/11/28/122853?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_4

┃メルマガのバックナンバーはこちら
http://www.growthwk.com/entry/2008/07/07/132329?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_5

┃メルマガの配信停止はこちらから
http://www.growthwk.com/entry/2008/06/18/104816?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_6


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*

┃労務管理のヒント
http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_7
┃仕事の現場で起こり得る労務の疑問を題材にしたコラムです。

┃ニュース
http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_8
┃時事ニュースから労務管理に関連するテーマをピックアップし、解説やコメントをしています。

┃メニューがないお店。就業規則が無い会社。
http://www.growthwk.com/entry/2007/11/01/161540?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_9

┃山口社会保険労務士事務所 
http://www.growthwk.com?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_10

┃ブログ
http://blog.ymsro.com/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_11

┃『残業管理のアメと罠』
┃毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、
┃月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、
┃平均して8時間勤務というわけにはいかない。
┃しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、
┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=mailmagazine&utm_medium=cm&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_12

┃電子タイムカード Clockperiod
┃始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計。
┃できれば勤怠集計の作業は随分とラクになるはず。Clockperiodは、
┃出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカードや出勤簿で
┃勤務時間を管理している企業にオススメです。
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_13


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*
┃Copyright(c) 社会保険労務士 山口正博事務所 All rights reserved

┃新規配信のご登録はこちらから
┃(このメールを転送するだけでこのメルマガを紹介できます)
http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_15

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所