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休日出勤になる日とならない日

休日出勤

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今日のTOPIC
1: 休日出勤になると同時に休日出勤にならない日がある
>>>就業規則と労働基準法のどちらを優先するのか。
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■■  休日出勤になると同時に休日出勤にならない日がある
■■  就業規則と労働基準法のどちらを優先するのか。
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法定休日の曜日を指定していると、トラブルになることもある。


「法定休日は1週間に1日である」ということは、ほとんどの方が
ご存知のことだと思います。


つまり、週の始まりが月曜日だとすると、月曜日から日曜日まで
に1日の休日があれば、その日が法定休日になるんですね。



では、ここで、ある会社の就業規則に、「法定休日は日曜日と
します」と決めているとしましょう。


その就業規則の内容を前提にして、その会社の社員さんが、
「土曜日に休んで、日曜日に出勤にした」とします。


この場合、日曜日は休日出勤になるのでしょうか、それとも
休日出勤にならないのでしょうか。


「えっ?日曜日が法定休日なんだから、日曜日に出勤すれば当然に
休日出勤でしょう??」と思う方もいらっしゃるでしょうね。


本当にそれで良いのでしょうか?

本当に日曜日は法定休日ですか?



考えてみて下さい、この社員さんは、「土曜日は休日として
休んでいる」のですよね。

この休日(土曜日)は法定休日ですか?、、それとも法定外の
休日ですか?


「そんなの簡単だよ!日曜日が法定休日だから、土曜日は法定外
の休日だ」、、と言い切れますか??



何か変だと思いませんか。








就業規則と労働基準法で結論が変わる。


何が変なのかというと、「就業規則で判断した場合と労働基準法
で判断した場合で結論が変わる」ということです。



つまり、就業規則を基礎にして考えれば、

「法定休日は日曜日とします」と決めているのですから、日曜日
に勤務すれば、休日勤務になりますよね。

言わば、形式的に判断する立場です。



一方、労働基準法を基礎にして考えれば、

「法定休日は1週間に1日」ですから、「土曜日に休んで、日曜日
に出勤にした」とすると、土曜日が自動的に法定休日になるので
す。

そのため、日曜日に勤務しても休日勤務にはならないのですね。


言うなれば、就業規則と労働基準法が同じ部分で競合して
いるわけです。




そこで、就業規則と労働基準法の効力関係を持ち出せば、

【(強い)労働基準法>労働協約>就業規則>労働契約(弱い)】

という関係になるのですから、就業規則よりも労働基準法を優先
させても良さそうです。


就業規則には日曜日が法定休日と書かれているが、労働基準法では
週1日の休日で良いのだから、土曜日を法定休日として扱っても
構わないのです。



しかし、労働基準法を優先してしまうと、就業規則で法定休日を
決めた意味が失われます。


それゆえ、「労働基準法は最低ラインを定めただけだから、その
ライン以上のルールを就業規則で決めているならば、就業規則を
優先させる」という主張も可能です。



確かに、労働基準法の法定休日のルールでは、「1週間に1日の
休日」とだけ決められており、曜日については決めていません。


ならば、法定休日の曜日について決めることは、最低ライン以上
のルールを決めることと同じだから、就業規則を優先させるのが
妥当と判断できます。







就業規則が職場に必要な理由


今回は、就業規則を基礎にしても、労働基準法を基礎にしても、
間違っているわけではありません。


就業規則を優先させれば、問題はそのまま解決できますし、
労働基準法を優先させても、就業規則には違反(罰則はない。
だた、民事上の責任や賠償を求められることは有り得ます)
しますが、労働基準法に違反するわけではありません。


今回の問題は、「法定休日の曜日を事前に固定しているから
起こってしまった」のです。


言わば、「会社の過失によって起こったトラブル」というわけ
です。


法定休日は「1週1日」というだけで良いのに、わざわざ曜日まで
固定してしまうから、弾力的に法定休日を動かせなくなるのです。



対策を考えるとすれば、

「法定休日は日曜日とします。ただし、業務上の都合により、
曜日を変更するときがあります」

というように就業規則に決めておけば、今回のような例外に対応
できるはずです。


つまり、原則は日曜日に設定しておいて、なお書きで例外に備え
るのが良いかもしれません。


ただ、曜日を固定しても、間違いなく法定休日にできるならば、
例外に備える必要はありません。


もし、法定休日に出勤する可能性があるならば、上記の様に曜日
を固定しないで決めておくのも有用かと思います。





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